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コミュニティーベース管理下における漁業者行動モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K23682
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
研究機関東京大学

研究代表者

阪井 裕太郎  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (30849287)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードコミュニティーベース漁業管理 / コミュニティーベース管理 / 漁業 / ランダム効用理論
研究開始時の研究の概要

コミュニティーベース管理は、水産資源の過剰漁獲を防ぐための有効な手段として注目されている。だが、従来の研究では管理のアウトカムを評価するにとどまり、背後にある漁業者の行動メカニズムには踏み込めていない。他方、欧米を中心としたトップダウン型管理の漁業では、漁業者行動の実証研究に大きな蓄積がある。しかし、その分析には漁船レベルの詳細なデータが必要とされるため、これをコミュニティーベース管理漁業に適用した例はない。本研究では、コミュニティーベース管理下でかつ漁船レベルデータも利用可能な北海道沖合底曳網漁業に焦点を当て、コミュニティーベース管理に特有の行動原理を検出する。

研究成果の概要

第一に、北海道の沖合底曳網漁業の歴史資料やデータの利用可能性について詳細に整理した。第二に、室蘭地区で行われているプール制と呼ばれる独自の漁業管理の実態を明らかにすることができた。室蘭地区のように沖合漁業においてプール制が導入され、それが30年近くにわたって維持さえている事例は稀有である。第三に、北海道室蘭地区におけるプール制の効果について詳細な評価を行った。差分の差分法と呼ばれる最先端の分析手法を用いて、プール制導入がスケトウダラの単価と漁船の操業効率にあたえた影響を検証した。その結果、価格が24%程度、生産性が25%程度上昇したことが明らかとなった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究の最大の学術的意義は、我が国の漁業経済研究において初めて疑似実験的手法を用いたことである。望ましい漁業管理を議論するためには、既存の管理の適切な評価が必要不可欠である。本研究は経済学における最前線の手法を用いることで、本分野における新たなフロンティアを開拓したと考えている。本研究の社会的意義は、我が国独自の漁業管理方式の高いパフォーマンスを示したことである。我が国の漁業は、新しい漁業管理体制への移行期にある。外国の管理をそのまま輸入するのではなく、我が国独自の管理で何が機能して何が機能していないのかを把握することが重要である。本研究はその流れに先鞭をつけたと考えられる。

報告書

(3件)
  • 2020 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 北海道室蘭地区沖合底曳網漁業のプール制管理の経済評価2021

    • 著者名/発表者名
      阪井, 石原 & 石野
    • 学会等名
      令和3年度日本水産学会春季大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 北海道室蘭地区における沖合底曳網漁業管理2020

    • 著者名/発表者名
      阪井&石原
    • 学会等名
      2020年度水産海洋学会研究発表大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] An income pooling system in a Japanese trawl fishery: the case of Muroran, Japan2020

    • 著者名/発表者名
      Sakai Y
    • 学会等名
      PICES 2020
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2019-09-03   更新日: 2022-01-27  

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