研究課題/領域番号 |
19K23684
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河合 清定 京都大学, 生態学研究センター, 研究員 (50846334)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 木材解剖学 / フタバガキ科 / 水分生理 / 森林動態 / 東南アジア / 生物地理 / 気候変動 |
研究開始時の研究の概要 |
樹木の水利用に大きな影響を及ぼす木部の形態・解剖学的特性にもとづき,熱帯樹木の乾燥適応機構を解明する.そのために,東南アジアの樹木を対象に,木部の形態・解剖学的特性を光学および電子顕微鏡によって調べ,個体の水利用特性(通水性・耐乾燥性)ならびに樹木の分布や動態特性(成長率・生存率)との関係を明らかにする.
|
研究実績の概要 |
近年,乾燥化に伴う樹木の集団枯死が世界中で頻発しており(e.g., Allen et al. 2010),樹木の生理特性にもとづき乾燥応答を予測する試みが増えてきている(e.g., Anderegg et al. 2016; Greenwood et al. 2018). しかし,地球上の半分以上の種が生育し,地球規模の炭素循環にも大きな影響を及ぼす熱帯林(e.g., Corlett et al. 2016)での研究例は少ない.そこで本研究では,樹木の生理特性に大きな影響を及ぼす木部の形態・解剖学的特性に着目し,時空間的に変動する乾燥ストレスに対し,熱帯樹木がいかに応答しているかを明らかにすることを目的とした. 季節乾燥林に属する東北タイのサケラート試験地で,優占樹種14種を対象に,木部の形態特性と枝通水性の測定を行なった.その結果,材密度は2倍,枝の通水欠損割合は9倍,最大通導度は26倍の種間変異を示し, 同一環境に異なる生理特性を持った樹種が共存していることがわかった.また,材密度が高い種において,通水欠損割合と材密度は負の相関を示し,材の形態特性と水分生理特性が密接に関係していることが示唆された.今後は,乾燥下での生存に関与する糖貯蔵量の評価とともに,これらの生理特性がどのような木部解剖学的特性に支配され,乾燥ストレス下での動態特性(成長率・生存率)に影響しているかを明らかにする予定である.また,湿潤熱帯林に属するマレーシアのアイルヒタム試験地において予備調査を行い,調査対象木としてフタバガキ科17種を選定した. 今後は木部解剖学的特性の測定を行い,乾燥傾度に沿った分布パターンとの関係を調べる予定である.
|