研究課題/領域番号 |
19K23690
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 地方独立行政法人北海道立総合研究機構 |
研究代表者 |
西川 翔太郎 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 水産研究本部 さけます・内水面水産試験場, 研究職員 (80845727)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 魚病 / サクラマス / 体表粘液 / 体表 / 粘液 / プロテオーム / プロテオーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
北海道内のサクラマス増養殖では、感染症による死亡被害が近年急増しており、蔓延防止の観点から早期診断法の開発が急務である。従来の魚病診断は、病原体自体を検出することに依存してきた。しかし、その検出感度の低さや病原体の増殖が遅い等の問題から、感染初期に病原体の検出は困難な場合が多かった。従って、病原体検出に依存せず、宿主の健康状態をモニタリングすることで、発症を予測する技術を開発する必要がある。本研究では、病原体が宿主に最初に接触する体表粘液に着目して、病原体感染時の体表粘液に含まれるタンパク質を網羅的に調べる。その中で最も変化するタンパク質を定量する手法を確立し、感染症の早期診断技術を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究は、サクラマス増養殖で発生する感染症を早期に診断する技術の開発を目的とした。宿主が病原体と最初に接触する体表粘液に着目し、病原体感染時のタンパク質の発現動態をプロテオーム解析により網羅的に調べ、ウイルス感染により7種類のタンパク質、細菌感染により別の7種類のタンパク質の発現変動に有意な差がみられたことを見いだした。さらに、このうちの3種類のタンパク質を感染症早期診断バイオマーカーとして検出する抗原検出ELISA法を開発した。今後、開発した技術の精度を向上させることで、感染症の発症を予測できる可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの魚病診断では、感染初期の体内に存在する少量の病原体を検出し診断することは困難であった。本研究で開発した体表粘液中に存在するタンパク質を検出する診断技術をサクラマス増養殖へ応用することにより、活魚の健康状態をモニタリングすることが可能となり、このことが感染症の早期発見ひいては蔓延防止に貢献する可能性がある。
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