研究課題/領域番号 |
19K23696
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0604:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
新村 麻実 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 研究員 (20827133)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 灌漑排水 / 水田地域 / 水温 / 還元水 / 水田 / 推定手法 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の水田地域では、排水を河川に還元し、排水を下流において用水として再利用している。そのため、用水の安定的利用に向けて水田地域から還元される排水(還元水)量は重要視されている。還元水量は水管理や気象条件の影響を受け、常に変動する。しかし、還元水は水田地域の様々な経路から排水路へ流出しており、各経路からの還元水の測定が困難なため、還元水の流出経路・各経路の還元水量について網羅的な検討がされていない。本研究では、各還元水が持つ固有の水温変化傾向に着目し、水温を指標に水田地域における複数の還元水の流出経路・各経路の還元水量を一体的に推定し、用水の安定供給に資する知見を得ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、水温を指標とした水田地域における複数の流出経路からの還元水量の推定を目的として現地観測を実施した。その結果、水田内の観測では畦畔の地温の日較差は水田への取水後、逓減する傾向が見られ、畦畔からの浸透水は水田湛水温の涵養の影響を受けて変動することが示唆された。また、小排水路における観測では水田の作付状況の違いによる水田からの排水の有無は農区規模の小排水路において水温形成に影響を及ぼしていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、還元水量の推定には適用条件として連続干天期間が望ましいことや、水田の作付状況の違いによる水田からの排水の有無が小排水路の水温変化に影響を与えていることから作付状況を考慮する必要があることが示された。今後継続して観測を実施し、還元水量を推定するモデルを確立することにより、水位・水温観測のみで既存の流量観測よりも簡易かつ広域に流出経路ごとの還元水量の把握が可能となる。
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