研究課題/領域番号 |
19K23707
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
大津 航 岐阜薬科大学, 薬学部, 特任助教 (50843091)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ライソゾーム / 視細胞 / 光障害 / 錐体細胞 / 黄斑ディストロフィー / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
錐体細胞は黄斑に密に分布する視細胞であり、中心視野における視力と色覚を担っている。本研究では視細胞由来株である661W細胞と新しく開発されたマウス網膜遺伝子導入技術を用い、黄斑ディストロフィー変異体発現や青色LED光照射などのストレス条件下における錐体細胞死の分子メカニズムの解明、特にライソゾームの機能と病態との関わりを明らかにする。具体的には、i)錐体細胞におけるライソゾームの役割を明らかにし、ii)ライソゾームの機能異常によって影響を受ける下流経路について同定し、iii)それらの異常を選択的に抑える化合物をスクリーニングする方法を確立し疾患の治療へ応用できる技術を開発することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では黄斑変性時の視細胞保護治療法開発を目的として、光ストレスに対するの視細胞応答シグナル経路について、青色光曝露による障害系を用いて解析を行った。視細胞培養株を用いた検討により、青色LED光照射下でライソゾーム膜透過性亢進が引き起こされると同時に、TFEBの核内移行を介してライソゾーム関連因子の発現が上昇することが明らかとなった。またこれらの障害系に対し、抗酸化作用をもつ薬物が保護作用を示した。以上の結果は、黄斑ディストロフィーにおける錐体細胞保護の新たな標的としてのライソゾームの可能性を示唆するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、黄斑ディストロフィーの病態解明を目的に実験を行い、光障害に対する視細胞のストレス応答反応におけるライソゾームの重要性について明らかにした。ライソゾームは細胞が取り込んだ物質の消化に関わるのみならず、mTOR経路などを介して、細胞の代謝全体に重要な細胞内小器官である。また、ライソゾームの異常は特に神経変性疾患との関わりがよく知られており、本研究で明らかになった知見は、眼科領域だけでなく、脳や神経の分野において広く貢献できると考えられる。黄斑ディストロフィーは現時点では根治療法がないため、研究成果を更に発展させることにより新たな治療法開発への応用が期待される。
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