研究課題/領域番号 |
19K23709
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
風間 啓 麻布大学, 獣医学部, 助教 (80845298)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 副甲状腺ホルモン関連タンパク質 / PTHrP / カルシウム感知受容体 / CaSR / 乳牛 / 胎盤 / 微量ミネラル / カルシウム / 牛 / 胎子 / ICP-MS / ミネラル |
研究開始時の研究の概要 |
PTHrPは胎盤における母体から胎子へのCa輸送に関与していると考えられている。Caの他、乳牛の胎盤において、PTHrPが胎子の発育に必要な微量ミネラルの輸送にも影響を与えるか網羅的に解析する。さらに、胎盤組織を採取し、リアルタイムPCR、免疫組織化学染色によるPTHrPの分泌細胞の特定を試みる。また、ミネラル輸送を担うTRPV6、Calbindin-D9K、Klothoなどの輸送体の遺伝子発現を調べ、PTHrPとの関連を調査する。乳牛の胎盤におけるPTHrPのミネラル輸送に対する生理的役割を解明し、健康な子牛の出生に寄与する技術の基礎研究とする。
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研究成果の概要 |
副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)は、胎盤におけるカルシウム(Ca)の輸送に関与するが、乳牛の胎盤における作用は不明な点が多い。本研究では、微量ミネラルを含むミネラル輸送に着目し、乳牛の胎盤におけるPTHrPの役割について検討した。PTHrP、Caは母牛よりも新生子牛の血液で高かった。さらに新生子牛の血液中PTHrPとCa、コバルト、クロム、およびモリブデンとの間に相関があった。またPTHrP遺伝子は母胎盤において発現量が高かった。以上のことから、PTHrPは乳牛の胎盤のCa輸送に関与しており、胎盤由来のPTHrPが新生子牛の微量ミネラル代謝にも影響すると推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子牛の死亡は畜産業に大きな経済的損失をもたらすが、毎年数万頭に及ぶ子牛が死産や虚弱子で生後まもなく死亡してしまう。副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)は、胎盤においてカルシウム(Ca)輸送に関与することが知られている。本研究の結果から、新生子牛の血液中PTHrPとCa、コバルト、クロムとの間に負の相関が、モリブデンとの間に正の相関があった。さらに、乳牛の胎盤においてPTHrP遺伝子の発現が認められ、ミネラル輸送に関与すると考えられた。これらの結果から、健康な胎子が成長するために必要な胎盤におけるミネラル代謝にPTHrPが関与すると考えられた。
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