研究課題/領域番号 |
19K23718
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 紘己 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任研究員 (70848902)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 中心体 / 中心小体間結合 / 中心体複製 / 染色体分配 / 細胞生物学 / 分子生物学 / 細胞分裂 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、超解像顕微鏡技術と細胞生物学、生化学的解析などを導入し、多様な手法を融合させることで中心小体間の結合メカニズムとその破綻による疾患発症機構を分子レベルの高解像度で解明する。近年、中心小体の過剰複製と細胞がん化の関与が指摘されており、中心体構築の素過程における知見は細胞がん化メカニズムの解明、抗癌剤の有効な標的分子探索という観点からも有益である。さらには、本研究により、中心小体形成不全が原因と推定される遺伝病、繊毛病、男性不妊症など種々の疾病の原因解明に向けて基礎的な知見が提供されることが期待される。
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研究成果の概要 |
中心小体間結合の維持および消失は適切な中心体複製とゲノム安定性維持に必須であるが、その機構は未解明な点が多い。本研究では、染色体不安定性を伴うMVA(多彩異数性モザイク)症候群の原因遺伝子であるCep57(centrosomal protein 57kDa)とそのパラログCep57L1が中心小体の過剰複製を抑制することを明らかにした。Cep57・Cep57L1の発現を抑制した細胞では形成直後の娘中心小体が母中心小体の側面から分離し、分離した中心小体の側面のそれぞれから再び中心小体が複製された。さらにまた、過剰複製された中心小体が高頻度に染色体分配異常を引き起こすことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、中心小体間結合や中心小体複製の回数を制御する機構の新たな生物学的知見であるばかりでなく、中心小体増幅を原因とする癌や遺伝子疾患の発症機構の解明につながることが期待されます。また、これら一連の研究は、がんの治療標的の探索や悪性化の予防といった応用医療に繋がっていくことも期待されます。
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