研究課題/領域番号 |
19K23722
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
簗取 いずみ 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (40454847)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 鉄 / 鉄代謝 / 鉄シャペロン / 鉄シャペロン分子 / フェリチン / シャペロン / 細胞内輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
鉄が活性酸素産生の重要な要素であることは疑いの余地がないものの、活性酸素の主な発生部位であるミトコンドリアにおいて、鉄の膜輸送機構は全く解っていない。さらに、小胞体内での鉄はコラーゲン合成に必須であることが報告されているが、細胞質ゾル内の鉄を小胞体に輸送する機構は明らかでない。そこで、これまでの鉄シャペロンと鉄輸送体の機能解析を行った知見と技術を用い、細胞内に取込まれた鉄イオンを、鉄シャペロンがどのようにして細胞質ゾル内で輸送しているか?また、各小器官は如何にして鉄イオンを取り込んでいるか?を解析することで、鉄の取込み、分配・利用、排出という一連の鉄の動向について解析を行う。
|
研究成果の概要 |
鉄は水溶性の二価鉄イオンでなければ、輸送体を通過することも細胞内で利用することもできない。しかし、二価鉄はその反応性の高さゆえに活性酸素産生の主たる原因となるため、安全に細胞内を輸送する必要がある。鉄シャペロン分子は鉄の取り込み・鉄の排出両方に関与し、直接輸送体との間で鉄の授受を行うことで、フリーの二価鉄イオンとして存在することを防ぐ。 小胞体は蛋白質の正常な合成のために鉄を必要とする小器官である。本研究にて、ヒト細胞にて小胞体内腔へと鉄を輸送する分子を見出すことができた。また、この輸送体には鉄シャペロン分子が結合することから、鉄シャペロン分子と輸送体間で鉄の授受が行われていることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、細胞の内外での鉄の動態については多くの研究がなされてきたが、細胞内でどのように鉄が輸送されているかについてはほとんど不明のままであった。近年、鉄による細胞・組織障害は広く知られるようになり、鉄を介した新たな細胞死・フェロトーシスに関する報告は急激に増加している。鉄が細胞障害を起こすメカニズムの詳細を明らかにする上で細胞内で鉄がどのように輸送され、各小器官へと輸送されているかを知ることは非常に重要な意味を持つ。また、本研究で注目した輸送体(A)の変異はヒトでも報告があり、今後の疾患の原因究明につながることが期待される。
|