研究課題/領域番号 |
19K23734
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
西村 健司 関西学院大学, 理工学部, 助教 (70840544)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 葉緑体 / タンパク質分解 / ペプチド / ABCトランスポーター / レセプター |
研究開始時の研究の概要 |
植物葉緑体では不要タンパク質が分解制御を受けることは広く知られているが、その結果生じる分解産物(ペプチド)がその後辿る運命や果たす役割についてはほとんど解析されていない。本研究では、葉緑体包膜局在の2つのペプチド輸送体様トランスポーター及びそれらと協調的に発現制御される受容体型タンパク質の解析を通じて、タンパク質分解由来ペプチドがシグナルとして葉緑体外に放出され、核遺伝子の発現を制御する可能性を検証する。
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研究成果の概要 |
タンパク質分解は、役目を終えたタンパク質から分解産物(ペプチド)という新たな分子に再生する過程とも言える。本研究ではこうしたタンパク質分解由来ペプチドがその後辿る運命や果たす役割について解析を行った。その結果、葉緑体プロテアーゼにより分解されたタンパク質のペプチド断片は植物免疫関連受容体タンパク質により認識されうること、そして葉緑体からのペプチド放出が核遺伝子発現に影響する可能性が新たに見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オルガネラのタンパク質分解由来ペプチドの関与するシグナル伝達系自体前例は極めて少ない。線虫ミトコンドリアの例に関しても、放出されたペプチドの作用機序や情報伝達系の全貌は未だ不明である。本研究では、細菌由来の共生オルガネラから放出される分解産物ペプチドが細胞内の免疫系受容体により異物認識されうることを新たに見出した。これは15億年の細胞内共生進化を経てもなお、細菌由来オルガネラと宿主細胞の関係性が自己・非自己の認識に基づく免疫システムにより管理・統制されている可能性を想像させる。
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