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「死細胞由来抗老化シグナルモデル」とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K23738
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
研究機関東北大学

研究代表者

西澤 弘成  東北大学, 医学系研究科, 学術研究員 (30846655)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードフェロトーシス / 鉄依存性細胞死 / 脂質過酸化 / 細胞老化 / 過酸化脂質 / パラクライン / BACH1 / 転写因子 / 転写因子BACH1 / 老化
研究開始時の研究の概要

近年、死細胞が周囲の細胞へシグナルを伝える情報伝達体として働くことが注目されている。申請者たちは鉄依存性細胞死であるフェロトーシスは転写因子BACH1の制御下にある知見を得、さらに、フェロトーシスが誘導された細胞では抗老化関連物質が分泌される可能性が示唆された。そこで申請者は、フェロトーシス細胞が抗老化関連物質を分泌する可能性に着目し、フェロトーシスの抗老化作用を検証したいと考えた。本研究によって、BACH1の長寿遺伝子としての役割をフェロトーシスの側面から解明し、その成果を老化関連疾患の治療につなげたい。

研究成果の概要

本研究では、鉄依存性の制御された細胞死であるフェロトーシスを起こした細胞の培養上清が、別の細胞で老化関連マーカーであるSA-β-ガラクトシダーゼの低下と細胞死を惹起することを示した。また、この培養上清によるSA-β-ガラクトシダーゼの低下と細胞死の伝播は抗酸化剤やフェロトーシス阻害剤によって抑制されることも分かった。さらに、フェロトーシス細胞と正常細胞を共培養すると、正常細胞にも脂質過酸化と細胞死が伝播することを示した。
これらのことから、フェロトーシス細胞からの分泌物質による脂質過酸化反応とフェロトーシスの伝播現象が存在することが証明された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

フェロトーシスは新規に提唱された鉄依存性の細胞死であるが、フェロトーシス細胞からの分泌物質の生体内での機能についてはこれまでほとんど分かっていなかった。本研究によってフェロトーシス細胞から酸化関連物質が分泌されてフェロトーシスが周囲に伝播していくことが明らかになった。この伝播現象が虚血性心疾患などのフェロトーシス関連疾患の病変の拡大に関与していると考えられ、これらの疾患への新治療の開発につながる可能性がある。さらに、フェロトーシスは生体内でがん抑制メカニズムとして働くことが分かっており、フェロトーシスの伝播現象を利用して免疫療法や抗癌剤の効果を増強できる可能性が期待される。

報告書

(3件)
  • 2020 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Lipid peroxidation and the subsequent cell death transmitting from ferroptotic cells to neighboring cells2021

    • 著者名/発表者名
      Nishizawa Hironari、Matsumoto Mitsuyo、Chen Guan、Ishii Yusho、Tada Keisuke、Onodera Masafumi、Kato Hiroki、Muto Akihiko、Tanaka Kozo、Igarashi Kazuhiko
    • 雑誌名

      Cell Death & Disease

      巻: 12 号: 4 ページ: 332-332

    • DOI

      10.1038/s41419-021-03613-y

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Ferroptosis is controlled by the coordinated transcriptional regulation of glutathione and labile iron metabolism by the transcription factor BACH12019

    • 著者名/発表者名
      Nishizawa Hironari、Matsumoto Mitsuyo、Shindo Tomohiko、Saigusa Daisuke、Kato Hiroki、Suzuki Katsushi、Sato Masaki、Ishii Yusho、Shimokawa Hiroaki、Igarashi Kazuhiko
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 295 号: 1 ページ: 69-82

    • DOI

      10.1074/jbc.ra119.009548

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書 2019 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The gene regulatory network of ferroptosis controlled by the transcription factor BACH12020

    • 著者名/発表者名
      西澤 弘成
    • 学会等名
      第93回日本生化学大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [備考] まるでドミノ!? 細胞死が連鎖して広がっていく -鉄依存性細胞死(フェロトーシス)の拡散現象を発見-

    • URL

      http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2021/03/press20210330-01-domino.html

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [備考] まるでドミノ!? 細胞死が連鎖して広がっていく -鉄依存性細胞死(フェロトーシス)の拡散現象を発見-

    • URL

      https://www.med.tohoku.ac.jp/news/4645.html

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [備考] BACH1によるフェロトーシスの制御

    • URL

      http://www.biochem.med.tohoku.ac.jp/discoveries/index.html#PbannerImage7

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-09-03   更新日: 2022-01-27  

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