研究課題/領域番号 |
19K23740
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河野 大輝 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (60846773)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | セイヨウミツバチ / 社会性行動 / ゲノム編集 / キノコ体 / ケニヨン細胞 / mKast |
研究開始時の研究の概要 |
セイヨウミツバチは高度な社会性行動を示す。これまでに昆虫脳の高次中枢であるキノコ体に着目した研究が多く行われてきたが、社会性行動を制御する分子神経基盤はほとんど解明されていない。本研究では、ゲノム編集法を用い、ミツバチ成虫の脳選択的に発現する遺伝子mKastによる社会性行動制御機構を多階層的に解析する。mKastは感覚情報処理を介して成虫脳の高次機能を制御し、ミツバチの採餌行動に寄与していると予想される。mKastが制御する行動の同定と、その行動制御を実現するシグナル伝達制御や神経回路を解析することで、ミツバチの社会性行動を制御する新規な分子神経基盤の解明に繋がることが期待される。
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研究成果の概要 |
社会性昆虫であるセイヨウミツバチでは、高度な社会性行動を制御する脳の分子神経基盤が古くから研究されてきたが、ミツバチにおける有効な遺伝子操作法の不足から因果関係が証明された例は少ない。本研究では、感覚情報処理を介して成虫脳の高次機能を制御する可能性がある遺伝子mKastに着目し、ゲノム編集法を用いた遺伝子ノックアウトによる機能解析を試みた。この結果、初めてヘテロ変異体女王蜂の作出に成功し、またmKastは発現パターンから予想されてきたいくつかの機能には関与しないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミツバチは多数の個体と群れ(コロニー)を作って生活する社会性昆虫であり、社会性行動研究のモデル生物として知られている。しかし、遺伝子操作した個体は室内に設置したコロニー内で飼育しなければならないという難点があるため、ミツバチでの遺伝子操作技術は未発展である。本研究成果は、社会性行動を司る脳の分子神経基盤の解明に重要な、ミツバチ遺伝学の前進に寄与するものである。
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