研究課題/領域番号 |
19K23747
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中村 毅 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任助教 (60846393)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オートファジー / 分泌経路 / ショウジョウバエ / 体液 / ヘモリンフ / タンパク質分泌 / 定量プロテオミクス / メタボローム |
研究開始時の研究の概要 |
シグナルペプチドを持たないタンパク質を分泌する非典型的な分泌経路の1つとして、オートファジーを介した経路が知られているが、どのような積荷タンパク質が分泌されているかは明らかにされていない。ショウジョウバエは、ATG遺伝子を欠損させた個体が生育できることに加え、開放血管系であるため体液を簡便に回収できる。そこで本研究では、定量プロテオミクスにより体液タンパク質のプロテオームを網羅的に解析し、積荷タンパク質の網羅的プロファイルを得ることを目指す。本研究により、オートファジーを介して分泌されるタンパク質の構造やモチーフに関する知見が得られることに加えて、分泌メカニズムの理解も進捗すると期待される。
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研究成果の概要 |
オートファジーに依存した分泌の意義を明らかにするには、そもそもどのようなタンパク質が分泌されているのかを、網羅的に把握する必要がある。本研究では、ショウジョウバエ幼虫の体液タンパク質のプロテオームを解析し、オートファジーによって分泌されるタンパク質の網羅的プロファイルを得ることを目指した。野生型とオートファジー遺伝子欠損型の間で比較した結果、オートファジーの欠損により体液中の量が増加、あるいは減少するタンパク質を同定することができた。オートファジーは医学や創薬の分野でも着目されており、本研究は体液恒常性の維持に対するオートファジーの寄与の理解にも貢献している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オートファジーは細胞内の品質管理だけでなく、個体の恒常性維持においても重要な機能を担っている。しかしながら、哺乳動物におけるオートファジーの欠損は胚性あるいは新生児致死であるため、オートファジーを欠損した個体の体液を解析することはできなかった。本研究では、オートファジーを欠損しても生育できるショウジョウバエ幼虫の体液タンパク質を網羅的に解析することで、オートファジーの有無により体液中の存在量が変化するタンパク質を同定することができた。これらのプロファイルは個体の恒常性維持におけるオートファジーの役割を理解する上で基盤的なリソースとなるだろう。
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