研究課題/領域番号 |
19K23749
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
菊地 真理子 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (20845135)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 生殖細胞 / 性決定 / 卵形成 / メダカ / FOXL3 / FBXO47 / コヒーシン / 減数分裂の性差 / foxl3 / 性 / IP-MS |
研究開始時の研究の概要 |
生殖細胞の性決定(卵になるか精子になるかの運命決定)のスイッチ因子としてメダカで同定された転写因子FOXL3は、その下流でゲノム高次構造の性的二型を構築し、性特異的な遺伝子発現を制御している可能性が示唆されている。本研究では、免疫沈降-質量分析法を用いてFOXL3の共因子を網羅的に探索し、FOXL3が生殖細胞の性を司る分子メカニズムを解明することを目的としている。
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研究成果の概要 |
FOXL3が直接発現を誘導する因子(FBXO47、REC8A)の変異体を作出し、その表現型を調べた。fbxo47変異体はメスのみが不稔となり、卵巣内には卵胞が欠失していた。fbxo47変異体の染色体は末端部がつながったリング状の異常形態を呈していた他、生殖細胞の精子形成への運命転換が認められた。rec8a変異体も雌性不稔となり減数分裂の進行に異常が認められた。これらの結果から、FOXL3の下で生殖細胞のメス化イベント(卵胞形成、精子形成抑制、減数分裂)を開始させる分子経路が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
REC8AとFBXO47はそれぞれ染色体の高次構造とタンパク質分解に関わる因子であり、これらの事象と生殖細胞の性決定との関連が本研究で初めて示された。今後REC8AとFBXO47の機能を詳細に調べることで、生殖細胞の性を決める仕組みと卵を作り出す仕組みが分子レベルでより詳細に明らかになると考えられる。 そして卵や精子への経路を決める仕組みが明らかになれば、畜産・水産業において家畜や養殖魚の繁殖効率上昇や、生殖医療技術の改善につながると期待される。
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