研究課題/領域番号 |
19K23753
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
高原 未友希 (中田未友希) 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60707579)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 力学特性 / 曲げ剛性 / ヤング率 / 木質配置 / 断面二次モーメント / マイクロフォーカスX線CT / シロイヌナズナ花茎 / 木質組織配置の定量化 / X線CT / 植物器官 / 網羅的な探索 / 植物 / 力学的特性 / 屈曲 / 圧縮 / 分子メカニズム / 網羅的探索 / ハイスループット定量評価 |
研究開始時の研究の概要 |
植物器官の力学的特性を調節する分子メカニズム解明の糸口を掴むため、力学的特性の調節に関わる遺伝子群の網羅的な探索を行う。植物器官の力学的特性のうち、屈曲・引張・圧縮粘弾性をハイスループットに定量評価する技術の開発を行い、遺伝的多型を含むシロイヌナズナ集団を材料に力学的特性の網羅的な定量評価を実施する。本研究が完成した場合、植物器官の力学的特性を調節する分子メカニズムの解明に止まらず、生理的意義の理解や産業応用にもつながる可能性がある。
|
研究成果の概要 |
植物器官の力学特性の定量評価技術を高スループット化し、同方法を用いて、標準系統であるCol-0と比較してヤング率および木質組織の配置が異なる1系統を見出した。また、曲げ剛性やヤング率の系統内でのばらつきが系統間の違いの検出精度を下げる可能性も示唆された。そのため、既知の二次細胞壁形成に影響する遺伝子の変異体花茎を解析し、曲げ剛性やヤング率のばらつきの程度やそれによる検出の可否について検証した。予想しなかったことに、解析した変異体では曲げ剛性・ヤング率ともに変化が見られなかった。内部構造の解析から、木質部の面積の増加にもかかわらず木質部の断面二次モーメントへの影響が小さいことがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得た力学特性が変化するシロイヌナズナ自然多型系統を標準系統であるCol-0と遺伝子多型解析することにより、力学特性および木質配置に関わる遺伝子同定につながることが期待される。また、十分な検出感度を得るためには力学特性のみではなく内部構造も同時に調べる必要性を見出したことは、今後の改良に向けた指針となるだろう。さらに、花茎の木質配置やその定量化にマイクロフォーカスX線CTを用いた方法を確立したこと、同方法がユーカリにも適用可能であることを見出したことは、今後の力学特性と木質配置を組み合わせたスクリーニング法の確立につながるとともに、将来的に様々な植物種への展開が期待できる成果である。
|