研究課題/領域番号 |
19K23755
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
徳永 雅之 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10845043)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | YAP / ARHGAP11A / 1次繊毛 / 硬さ / Arhgap11A / 繊毛 / 神経幹細胞 / 神経発生 / Hippoシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
緻密に制御された脳組織が立体的に形作られるためには、神経前駆細胞の運命決定がが重要である。しかし、その詳細は不明である。申請者はこれまでの成果から、YAP-ARHGAP11Aネガティブフィードバックループが神経前駆細胞の増殖と分化のバランス制御に重要で、そのループの乱れは不安様行動に影響を与えることを見出している。しかし、このループがどのように制御されているかは不明である。 本研究では、組織内部の硬さと力を測定の可能にした方法を脳組織に応用して、神経前駆細胞の増殖・分化の制御メカニズムの解明から脳組織がどう立体構築されているかの理解および、うつや不安障害など精神疾患治療への発展を目指す。
|
研究成果の概要 |
細胞外基質の硬さなどの力学刺激は細胞内に伝達され細胞増殖や分化が制御されている。転写共役因子YAPはこのメカノトランスダクションにおいて中心的な役割を担っている。しかし、細胞外の力学刺激がどうYAPに伝達されるかその詳細は不明である。本課題では、代表者が見出したYAP-ARHGAP11Aネガティブフィードバックが、1次繊毛を介した細胞増殖制御に関わることを明らかにした。また本研究成果より、ARHGAP11Aは細胞外の硬さを感知しYAPを抑制することで、細胞増殖を抑える、新規メカノトランスデューサー分子であることが示唆される。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では、1次繊毛を介した細胞増殖制御にYAP-ARHGAP11Aネガティブフィードバックと細胞外の硬さが関与することを明らかにした。1次繊毛は水流の機械刺激に応答することは報告されているが、細胞外基質の硬さと1次繊毛を報告した例はこれまでにない。一部のがん細胞では1次繊毛が減少していることが報告されている。さらに、がん組織が周辺組織に比べ硬くなることは周知の事実である。これらのことから、YAP-ARHGAP11Aの破綻が、がん細胞において1次繊毛を介した細胞増殖抑制を阻害し、がんの悪性化に寄与している可能性がある。
|