研究課題
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これまで「丸い哺乳類の受精卵がいつどのようにして非対称な形態を獲得するのだろうか?」という発生学の命題に対し、マウス胚の3つの体軸の中で最も早期に形成される前後軸の初期決定機構をさかのぼって解析することでアプローチしてきた。さらに、前後軸方向を決定する細胞群DVEの位置は受精後3.5日胚のNodal発現開始細胞によって決定され、少なくとも受精後3.5日胚は前後方向の基盤となる非対称な分子情報を獲得していることを明らかにした。本研究では、さらに遡って「Nodalが一部の細胞のみで発現するメカニズムを明らかにする」ことで、マウス胚の前後軸の起源の解明に迫る
生物はどのようにして体軸を獲得するのだろうか?ショウジョウバエを含む多くの生物は、母性効果遺伝子のmRNAが非対称に分布することにより、すでに卵子の段階で分子レベルの非対称情報を獲得し、体軸情報を提供する。それに対して、ヒトやマウスといった哺乳類においては、依然不明なままである。研究代表者はこれまで、マウス胚の前後軸に着目し、その初期形成過程をさかのぼって解析することで非対称な形態の起源にアプローチした。前後軸方向を決定する細胞群DVEは、Nodalシグナルが時空間的ネットワークとして働くことで生み出されており、母体の加齢が頭部決定細胞群AVEのパターニングを破綻させているモデルを立てた。
本研究は、前後軸の起源を明らかにするという、発生学の本質にアプローチする壮大な研究である。ショウジョウバエを含む多くの生物はすでに卵子の段階で分子レベルの非対称情報を獲得しており、それら分子レベルの非対称情報が後の体軸情報を提供する。それに対して、ヒトやマウスといった胎生動物がいつどのようにして体軸の基となる非対称な分子情報を獲得するのかは長らく不明であり、発生学の命題であった。本研究が完了した場合、発生学の命題が明らかになり、マウス胚発生学の歴史の中で重要なマイルストーンとなる。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)
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