研究課題/領域番号 |
19K23758
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
植木 紀子 法政大学, 法学部, 教授 (80415116)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 環境応答 / 走光性 / 鞭毛 / ボルボックス / 多細胞化 / 繊毛 / ボルボックス目 / 鞭毛・繊毛 / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
周囲の光の情報を感知して最適な環境を選ぶ環境応答、すなわち光反応行動は、光合成生物にとって生存に深く関わる行動である。緑藻ボルボックスは約5,000の細胞から成るが、光反応行動において細胞どうしは直接的な情報交換を行わない。それにも関わらず、個体全体として調和のとれた動きを示す。単細胞性の祖先生物が少しずつ細胞数を増やし、進化する過程で、どのようにしてこの美しい自立分散システムが完成していったのか。それを明らかにするために、本研究課題では、多細胞化進化の中間過程にあると言える32細胞性のユードリナの光行動反応を解析することで、両者をつなぐ鍵となる形質を明らかにする。
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研究成果の概要 |
遊泳性の微細藻類のように、光合成に適した光環境に移動しながら生存する微生物は、進化の過程で多細胞化・大型化を果たした後も光応答行動能力を維持しなければならない。本研究では、いかにしてその両立がなされたのかを解明すべく、緑藻ボルボックス目の様々な細胞数の種が光に対してどのように反応するかを調べた。その結果、鞭毛の反応において異なる4種のパターンがあることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
それぞれの種が光刺激後にどの鞭毛反応パターンを示すかという結果を系統的関係と合わせることで、多細胞化進化によって個体が大型化し、その運動を制御するより適した鞭毛の光応答パターンが新たに獲得されたという進化過程が見えてくる。さらに、その獲得は複数回起きたことが推測された。本研究結果は、光合成生物の光反応行動と段階的な多細胞化進化の関係をとらえた初めての成果と言える。
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