研究課題/領域番号 |
19K23759
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
元村 一基 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 助教 (50844049)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 細胞生物学 / 花粉 / RNA / 細胞単離 / ライブイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
種子形成に必須の配偶体である花粉の中では、mRNAが細胞間を移動することが示唆されている。しかしRNAの選択性やその生理学的意義は不明である。そこで本研究では精細胞へのRNA細胞間移行がどのような働きを持つのかを明らかにする。花粉の中に存在する精細胞だけを実験に用いるという難しい課題を解決するため、申請者は「精細胞単離法」を確立した。これを“精細胞へのRNA移行が阻害された花粉”に適用して、精細胞移行RNAの同定に挑戦する。また「ライブイメージング技術」を用いて、“精細胞へのRNA移行が阻害された花粉”の表現型を精査して、精細胞移行RNAの機能を推定する。
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研究成果の概要 |
本研究では植物の花粉中に存在する精細胞が、花粉管を伸ばす栄養細胞から受け取る細胞間シグナルの性質に注目し、特に栄養細胞から精細胞に移行するRNAに着目して、精細胞へのRNA移行を阻害した変異体花粉を作出して解析した。 まず野生型花粉と変異体花粉それぞれの精細胞を花粉から単離して、それぞれに含まれるRNA種をトランスクリプトーム解析で比較した。その結果、多数の精細胞移行RNA候補を見出した。また、この変異体花粉が精細胞の輸送異常の表現型を示したことから、精細胞輸送と細胞間コミュニケーションの関連性が示唆されたとともに、この精細胞輸送が欠失した表現型を利用して花粉管の新機能も明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究代表者はホモ接合体が取得できないミュータント花粉を利用して、野生型花粉や野生型精細胞を含むヘテロな集団から、野生型精細胞またはミュータント精細胞だけをそれぞれ精製する技術を確立した。本研究で示唆された精細胞移行RNAの共通性が明らかになれば、個々の精細胞移行RNAの機能解析などの基礎研究は勿論のこと、社会的に重要な研究開発にも発展する可能性がある。更に花粉の機能解析も進めることで、これまで分かっていなかった精細胞の輸送と細胞間コミュニケーションとの関連性も明らかになることが期待できる。以上の2点から、本研究成果は当該学術分野にとどまらず、社会的価値の面でも波及効果を持つと考えている。
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