研究課題/領域番号 |
19K23775
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂井 祐介 京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (40843066)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ストレス / うつ病 / エピゲノム / エピジェネティクス / 遺伝子発現 / 神経可塑性 / レジリエンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、精神疾患発病脆弱性に関わる“ストレス感受性”の脳内メカニズムを新規エピゲノム編集技術の創出によりマルチスケールな視点から解明することである。エピゲノム編集による分子階層での変容が上位階層(細胞-可塑性-行動レベル)に及ぼす影響を多階層アプローチにより解析し、エピゲノム編集された個体がストレス感受性からストレス耐性を示す事を検証する。エピゲノム編集技術の介入によって、ストレスレジリエンスの獲得や抗うつ作用を発揮することのできる制御法を開発し、ストレス性精神疾患の構成的理解ならびに新たな治療法の確立につなげる。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、精神疾患発病脆弱性に関わるストレス感受性の脳内メカニズムを解明することである。本研究の成果として、遺伝・環境相互作用に起因するうつモデルマウスの腹側海馬におけるカルシウム・カルモデュリン依存性キナーゼIIb遺伝子(Camk2b)の発現低下と、そのゲノム領域におけるエピジェネティクス修飾異常を見出した。Camk2b遺伝子上のDNAメチル化レベルが慢性ストレス負荷によって変化することを見出し、このエピゲノム修飾を正常化させるエピゲノム編集操作によって個体のレジリエンスを獲得できる技術を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
うつ病発症リスクとして遺伝・環境相互作用が知られているが、そのメカニズムは不明である。本研究では、遺伝・環境相互作用に起因するうつ病モデルマウスを用いて、うつ様行動発現に関わる脳部位・原因分子の同定に成功した。さらに、エピゲノム編集技術の介入によって、ストレスレジリエンスの獲得や抗うつ作用を発揮することのできる制御法を開発することができた。これらの成果は、将来的にはストレス性精神疾患の構成的理解ならびに新たな治療法の確立につながることが期待できる。
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