研究課題/領域番号 |
19K23779
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
澤村 正典 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (60852423)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | パーキンソン病 / マーモセット / αシヌクレイン / 伝播 / 霊長類 |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病(PD)は運動障害を中心とした神経難病で、α-シヌクレインというタンパク質が脳内に異常蓄積することで生じる。これまで細胞培養やマウスを使った実験ではα-Synの凝集体が、神経細胞から神経細胞へとまるで感染するように伝播し増幅していくことが示されているが、一方で霊長類では研究が進んでいない。我々はマーモセットの嗅球にα-Syn凝集体を接種することで、嗅覚系にα-Syn凝集体が伝播するマーモセットモデルを作成し、霊長類における凝集体の伝播経路を解明し、パーキンソン病の病態機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
パーキンソン病(PD)は運動障害を主徴とする神経変性疾患で、病理学的にはα-シヌクレイン(α-Syn)凝集体であるレビー小体を特徴とする。これまでげっ歯類を使った研究ではα-Synの凝集体がプリオンのように神経細胞から神経細胞へ伝播し増幅していくことが示されているが、霊長類では研究が進んでいない。我々はマーモセットの片側の嗅球にα-Syn凝集体を接種することでα-Syn凝集体が嗅覚系経路に伝播する新しいマーモセットのレビー小体病モデルを作成した。このモデルを使用することで霊長類における凝集体の伝播経路を解明し、さらに[18F]FDG-PETにより広範な糖代謝低下が生じていることを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パーキンソン病(PD)はアルツハイマー病に次いで多い神経変性疾患であり、1000人に1人で発症するといわれているが、高齢化社会の進行に伴いPD患者数が増加している。PDは運動症状を主体とする疾患であるが、それに加えて進行期では認知機能障害の合併を認めることから、今後もますます介護・経済面からも非常に大きな問題となる可能性が高い。しかしながら現状ではPDの病態は不明な点が多く残されており根本的な治療薬がない。本研究はPDの病態解明、治療法の開発に重要な新しいPDモデルとして役立つものである。
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