研究課題/領域番号 |
19K23784
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
神田 浩里 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (80842088)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | メルケル細胞 / 痒み / 疼痛 |
研究開始時の研究の概要 |
メルケル細胞は脊椎動物の皮膚やひげ部に多く存在し、触刺激の受容に重要な役割を担っている。このメルケル細胞は、「触感覚」などの非侵害性の情報を伝達する知覚性のAβ線維とシナプス構造を構成することは広く知られている。本研究の目的は、病態時におけるメルケル細胞と疼痛・痒みの発症の関連性を探索する事である。これまでメルケル細胞と疼痛感覚に関する直接的な報告はなく、本研究により触刺激を痛みとして感じる機械的アロディニアや痒みのメカニズムへの関連を探索する。
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研究成果の概要 |
メルケル細胞は体外からの触刺激に反応する触覚のセンサーとしての役割を担っている。本研究課題では、メルケル細胞と疼痛や痒み受容への関連性に着目し研究を行った。皮膚のメルケル細胞はAβ線維とメルケル終盤を構成するが、毛包部におけるメルケル細胞はPeripherinとNF200を共発現する神経線維とメルケル終盤を構成していた。CFAによる炎症モデルの皮膚におけるメルケル細胞と神経終末の構造的変化についての解析を行った。毛包部のメルケル細胞の局在部位ではアセチルコリンの発現を認めた。本研究により触センサーとしてのメルケル細胞の機能に併せて痒みの誘発のトリガーとしてのメルケル細胞の役割が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでメルケル細胞の生理的意義として、体外からの触刺激に対する活性化機構や神経伝達機構が明らかとなってきた。しかしながら、メルケル細胞やメルケル終盤の病態における機能的・構造的変化について不明な点が多い。本研究の位置づけとして、メルケル細胞と疼痛・痒みとの関連性を新たに示唆するものであり、今後メルケル細胞をターゲットとした新規鎮痛・掻痒緩和薬の開発等に繋がる可能性がある。
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