研究課題/領域番号 |
19K23785
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
田中 良法 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (00747933)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | プログラニュリン / オートファジー / リソソーム / progranulin / autophagy / lysosome / autolysosome / TDP-43 / seeding activity / profilin1 / aggregation / Seeding Activity |
研究開始時の研究の概要 |
多くの筋萎縮性側索硬化症及び半数近くの前頭側頭葉変性症では、核タンパク質TDP-43が細胞質に蓄積することが病気の進行と密接に関係している。プリオン病の異常プリオンのように、正常なTDP-43を異常型へと変換するシード能のあるTDP-43が原因となり、これらのシード依存的なTDP-43の蓄積が引き起こされると考えられている。本研究では、まずハイスループットなシード依存的TDP-43細胞質内蓄積検出システムを構築する。さらには、シード能獲得過程でsiRNAライブラリーを用いたスクリーニングを行うことで、TDP-43のシード能獲得過程を制御する因子を同定する。
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研究成果の概要 |
多くの筋萎縮性側索硬化症や半数程度の前頭側頭葉変性症(FTLD)の患者脳では核タンパク質TDP-43が細胞質に凝集・蓄積することが疾患の進行と密接に関係していることが知られている。細胞内成分を分解する主要な機構であるオートファジーは、TDP-43の細胞内蓄積を抑制することが示唆されているが、疾患との因果関係は明らかとなっていない。本研究では、FTLDの原因因子であるプログラニュリン(PGRN)がTDP-43の蓄積を抑制する機構について調べた。PGRNはオートファゴソームとリソソームの融合を促進することでTDP-43の細胞内蓄積を抑制していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前頭側頭葉変性症(FTLD)は四大認知症の1つに分類される未だ治療法のない神経変性疾患である。TDP-43の蓄積を特徴とするFTLD(FTLD-TDP)の原因遺伝子であるプログラニュリン(PGRN)が細胞内分解制御機構であるオートファジーの過程の一部を制御していることが明らかとなったことで、オートファジー制御機構の一端が明らかになったことに加え、オートファジーの破綻がFTLD-TDPの原因となる可能性が示唆された。一方で、PGRNによるオートファジー制御機構を明らかにすることで、FTLDの新規治療標的を見出せる可能性があり、将来的な発展が期待できる成果となった。
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