研究課題/領域番号 |
19K23786
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
林 周一 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (50568938)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 視床 / 発生 / シナプス |
研究開始時の研究の概要 |
大脳皮質5層から皮質下の神経回路への軸索投射は、哺乳類の随意運動や体性感覚に応じた運動を制御する。その中で、皮質5層から視床核への投射軸索は特徴的な巨大シナプス終末形態をもち、皮質からの強力な出力を着実に視床核に伝えるために重要な投射であることが示唆されている。しかし、その巨大シナプス終末形態の発達の制御機構は不明である。本研究では、皮質5層特異的な遺伝子操作により、シナプス前終末側の制御因子を調べる。さらに、トランスクリプトーム解析を用いて後シナプス側の制御因子の候補を網羅的に探索することにより、巨大シナプス終末の形態形成を制御する分子機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究ではマウスを用いて、大脳皮質5層から視床への投射がつくる特徴的な巨大シナプス終末の形成を制御する因子の同定を試みた。異なる生後齢のマウスの視床核からRNAを抽出し、RNAシークエンシングによるトランスクリプトーム解析を行った。その結果、生後2-3週で発現が増加または減少する遺伝子を同定した。その中で、巨大シナプス終末の形成を制御する可能性のある分子の候補を選出した。また、子宮内穿孔法を用いて視床の遺伝子操作を行う条件を設定した。現在、候補遺伝子の発現操作による機能解析を行っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大脳皮質5層からの入力を受ける視床領域は高次視床核と呼ばれ、感覚情報の統合を仲介する重要な働きをすることが示唆されてきた。しかし、その神経回路の形成過程については不明な点が多い。本研究で得られた成果は、今後、生後期の大脳皮質の活動に依存的した皮質下領域のシナプス成熟の機構を解明する上で重要である。類似のシナプス終末の構造は海馬にもあり、記憶の形成に重要である。本研究で得られた視床のシナプス終末形成制御の知見を活かすことにより、海馬の記憶形成の回路基盤についても理解が深まることが期待される。
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