研究課題/領域番号 |
19K23788
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
上森 寛元 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (90845900)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 2光子カルシウムイメージング / 触知覚 / 広視野2光子顕微鏡 / 神経科学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、触知覚刺激の結果現れる神経活動に対する自発活動の影響を単細胞レベルの活動レベルで調査することを目的とする。そのため、単細胞の解像度で網羅的に神経活動を記録できる超広域2光子顕微鏡を用い、知覚刺激において誘起される神経活動と自発活動時の神経活動の関連を探索する。特に、後肢触知覚刺激に対して舐める行為をすることで報酬としての水がもらえるという弁別課題をマウスに行わせ、マウスが刺激を知覚したときとそうでない時のそれぞれの神経活動が自発活動時からどのように変化しているかを解析する。それにより、自発活動による刺激時点での内部状態が知覚に及ぼす影響について調査する。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、自発活動中の広域でのマウス大脳皮質2/3層の神経活動が後肢刺激知覚時の神経活動に対して与える影響を調査することである。広視野2光子顕微鏡を用いて知覚課題中の広視野カルシウムイメージングによる大規模神経活動記録を行った。後肢刺激時に活動が生じる神経細胞群(アンサンブル)を検出するするような解析を行った結果、知覚課題においてHit時(知覚時)にアンサンブルの活動が強く見られ、Miss時には活動が見られなかった。また主成分分析による解析によって、HitとMissそれぞれにおける刺激直前の自発活動の状態が異なることを示唆する結果が得られた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人や動物は外界からの刺激を五感を通じて知覚するが、同一の刺激に対しても知覚する場合とそうでない場合がある。知覚は脳の高次機能と考えられ、知覚時には脳内の様々な脳領域の活動が見られるが、知覚する・しないを決定づけるような刺激時の脳内の状態に関しては未だ明確な知見は存在しない。刺激直前の自発活動状態が直後の刺激に対する知覚に何らかの影響を持つと考えられる。本研究によって、大脳皮質広域において知覚する・しないの2状態で神経活動が大きく異なることを見出した上で、刺激直前の活動状態が2状態間で異なることを示唆する結果を得た。知覚の脳内メカニズムの根本原理の理解への端緒を開く結果であると考えられる。
|