研究課題/領域番号 |
19K23797
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
石本 尚大 金沢大学, 薬学系, 助教 (00843062)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 記憶学習 / 脳由来エクソソーム / バイオマーカー / 脳部位特異的遺伝子発現制御 |
研究開始時の研究の概要 |
記憶学習能力向上作用を有する食物由来抗酸化アミノ酸ergothioneine(ERGO)の作用機序の解明のため、ERGOの経口投与後、記憶学習能力が向上したマウス及び対照群の記憶を司る海馬歯状回(DG)においてプロテオミクス解析を行い、記憶学習能力の向上により発現変動する蛋白質を見出す。次に、マウスにおいて、それら候補蛋白質のDG特異的な発現制御を行い、記憶学習能力や各種シグナル分子を評価する。さらに、記憶学習能力が向上したマウスにおいて、血漿から得られる脳内環境を反映する脳由来エクソソーム中の、候補蛋白質の量と記憶学習能力との相関を分析し、血漿成分から記憶学習能力を評価する系の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
ヒトの認知機能を改善させるergothioneine (ERGO)を経口投与したマウス及び対照群の記憶を司る海馬歯状回(DG)においてプロテオミクス解析を行い、発現が増加したある候補蛋白質に着目し、その発現を抑制するアデノ随伴ウイルス(AAV)を構築し、マウスDG特異的にこのAAVを感染させると神経突起の伸長が抑制された。 健常人と軽度認知障害患者をERGO投与群と偽薬投与群に分け、血清中エクソソーム画分を比較すると、ある候補蛋白質の発現量がERGO投与群で有意に高く、その発現量と血清中ERGO濃度および一部の認知機能検査の評価項目と正の相関を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトの認知機能を改善させるERGOの作用機序として、記憶を司る海馬歯状回におけるある候補蛋白質による神経突起の伸長が関与する可能性を示唆した。 認知機能の判定には、実験動物では行動試験、ヒトでは種々の認知機能検査が必要であるが、心理的要因などによるデータのばらつきが問題となり、より定量的な指標の確立が求められている。本研究で見出した脳内環境を反映する脳由来エクソソーム内の分子が、認知機能の改善を推測するバイオマーカーになる可能性がある。
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