研究課題/領域番号 |
19K23799
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 (2020) 滋賀医科大学 (2019) |
研究代表者 |
辻 徳治 京都大学, 生命科学研究科, 特定研究員 (50845112)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | リン脂質 / リポタンパク / 酵素蛍光定量法 / 動脈硬化 |
研究開始時の研究の概要 |
心筋梗塞や狭心症などの動脈硬化性冠動脈疾患の発症を抑制するためには、高密度リポタンパク (HDL)によって、血管内皮から余剰のコレステロールが効果的に取り除かれることが重要になる。リン脂質は、HDLの主要な膜構成成分であるが、その量や組成の違いが、HDLのコレステロール引き抜き能にどのように影響を与えているのかはほとんど明らかになっていない。 本研究では、これまでに申請者らが開発した新規のリン脂質定量分析法を用い、高いコレステロール引き抜き能を持つHDLに特有のリン脂質組成を探索・同定する。これにより、HDLリン脂質を介した、動脈硬化性冠動脈疾患の発症抑制機序の一端を明らかにする。
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研究成果の概要 |
リン脂質は血漿リポタンパクの主要構成成分である。本研究では、これまでに開発したリン脂質酵素蛍光定量法が、血漿リポタンパクのリン脂質定量分析に応用できるか検証した。結果、ホスファチジルコリン (PC)、ホスファチジルエタノールアミン (PE)、スフィンゴミエリン (SM)に対する定量法の妥当性を確認した。また、ヒト血漿VLDL、LDL、HDLにおけるPC、PE、SMの定量分析を行った結果、SM/PC比やPE/PC比が、各リポタンパクで異なっていることを明らかにし、リン脂質組成の変化が血漿リポタンパク代謝の一つの指標となっている可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心筋梗塞や狭心症などの動脈硬化性冠動脈疾患は日本人の死因の約16%を占める疾患である。HDLは、血管内皮マクロファージから余剰のコレステロールを引き抜くことで動脈硬化プラークの形成を抑制する。しかし、HDLのリン脂質組成が、そのコレステロール引き抜き能にどのように影響するのかは明らかになっていない。本研究では、ヒト血漿リポタンパクを対象とした、PC、PEおよびSM定量分析法を確立した。今後、PC、PE、SM以外のリン脂質に対する定量分析法をさらに確立し、より網羅的なHDLリン脂質組成の定量分析を可能にすることで、動脈硬化性疾患の抑制因子として機能するリン脂質の同定に繋がることが期待できる。
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