研究課題/領域番号 |
19K23806
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
新田 昂大 東北医科薬科大学, 薬学部, ポスト・ドクター (30847976)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 糖尿病性腎症 / スフィンゴ糖脂質 / 炎症 / 免疫細胞 / レプチン / 1型/2型糖尿病 / Globoside / Glycosphingolipids / グロボ系スフィンゴ糖脂質 / 慢性炎症 / メタボリックシンドローム |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病合併症である糖尿病性腎症の患者数は、増加の一途をたどっており、糖尿病性腎症を発症するメカニズムの解明や治療法の開発は重要な課題である。これまでに申請者は、①糖尿病性腎症を発症したマウスの腎臓でグロボ系糖脂質の発現が増加すること②グロボ系糖脂質がマクロファージを活性化することで炎症促進作用を示すことを明らかにしてきた(Nitta et al., Glycobiology 2019)。本研究課題では、レプチンによる腎臓の糖脂質発現変化の誘導メカニズムを明らかにするで、糖尿病性腎症の発症に関わる新たな分子基盤を提示する。
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研究成果の概要 |
申請者は、レプチンによる腎臓のスフィンゴ糖脂質発現変化を介した糖尿病性腎症の病態形成・増悪メカニズムの解明を目的に本研究を遂行した。レプチンは、少なくとも腎臓のレプチン受容体に直接作用することでスフィンゴ糖脂質の発現を変化させるのではなく、脳のレプチン受容体を介した間接な制御により腎臓の糖脂質発現を変化させていることが強く示唆された。メタボリックシンドロームなどの肥満が基礎状態にある疾患においては、高レプチン血症が誘導されており、それに伴う過剰なレプチンシグナリングが腎臓の糖脂質発現を変化させ、浸潤マクロファージに作用することで炎症が増悪し、糖尿病性腎症の病態形成に関与することが示唆された
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病性腎症は、根本的な治療法がないため治療においては、進行遅らせる対症療法しかほぼ選択肢がないのが現状である。さらに、病態悪化に伴う腎機能不全に陥るとQOL低下に大きくかかわる透析の導入が余儀なくされてしまう。申請者は、腎臓の炎症増悪に関与するスフィンゴ糖脂質が、抗肥満ホルモンであるレプチンによって発現変化することを見出した。レプチンは、脳のレプチン受容体を介して腎臓に間接的に作用しており、肥満型の糖尿病性腎症などの病態形成に関与していることが示唆された。本研究をきっかけに、これまで知られていなかった新たな治療標的の同定が可能性になると予想される。
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