研究課題/領域番号 |
19K23807
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
アザム アア 自治医科大学, 医学部, ラボランチン (80852780)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 黄色ブドウ球菌 / SaPI / CRISPR-C2c2 / バクテリオファージ / Staphylococcus aureus / CRISPR-Cas13a |
研究開始時の研究の概要 |
現代医療において我々は抗菌薬を当たり前のように使用している。しかしながら、抗菌薬の効かない細菌(耐性菌)が出現し、これら抗菌薬の多くがその有効性を失いつつある。従って、抗菌薬に代わる新規治療法の開発は緊急課題である。近年、既存の抗菌薬と殺菌機構が全く異なるバクテリオファージ(ファージ)を用いた抗菌療法(ファージ療法)が注目を集めている。本研究では、既存のファージ合成技術を用いて、臨床で分離頻度が最も高いメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を標的とするファージを開発する。本研究は、耐性菌に効く次世代抗菌治療剤の開発のベースになると信じている。
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研究実績の概要 |
本研究では、薬剤耐性黄色ブドウ球菌を選択的に殺菌する抗菌ファージの開発を目的とした。申請者は、耐性菌を選択的に殺菌する抗菌ファージシステムとして、細菌の保有する適応免疫機構(CRISPR-Casシステム)の一つであるCRISPR-C2c2をファージに搭載することを考えた。 まず初めに、C2c2をバクテリオファージに搭載した。この搭載には、黄色ブドウ球菌の病原性遺伝子塊(SaPIs)を利用した。SaPIは、黄色ブドウ球菌染色体上に存在するファージ様の構成因子を持つ移動性遺伝子領域であり、特定のファージ(ここでは、SaPIを誘発するファージなのでヘルパーファージと呼ぶ)の内部に入り込むことができる。我々は、SaPIがファージをハイジャックする特徴を生かし、C2c2をファージに搭載させることにした。具体的な手法としては、SaPI領域にC2c2を組み込んだ(SaPI-C2c2の作成)後に、マイトマイシンC添加でSOS応答を引き起こした。SOS応答はヘルパーファージとSaPI-C2c2の活性化を誘発し、SaPI-C2c2はヘルパーファージをハイジャックするため、C2c2を搭載した抗菌ファージが次々と生成されるはずであり、実際にSaPIを用いたCRISPR-C2c2の搭載に成功したことをトランスダクションアッセイにより確認した。また、C2c2搭載ファージの有効性を評価するために、MRSAを選択的に殺菌できるか否かを調べた。in vitroでは重層寒天培地上にMRSAを撒き、その上から抗菌キメラファージを添加、殺菌斑を確認することで、抗菌キメラファージが薬剤耐性黄色ブドウ球菌を選択的に殺菌することを確認した。
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