研究課題/領域番号 |
19K23810
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
|
研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
榊原 有季子 名城大学, 薬学部, 助教 (40848503)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 薬物代謝酵素 / Wnt/β-catenin経路 / UDP-グルクロン酸転移酵素 / 精神神経疾患 / 抱合酵素 / Wnt/β-catenin / Wntシグナル経路 / グルクロン酸転移酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
精神神経疾患患者は増加の一途を辿り、治療法の確立は急務である。精神神経疾患の新たな治療標的としてWntシグナル経路が注目されている一方で、Wntシグナル経路を介した薬物代謝酵素の発現量変動が報告されている。薬物代謝酵素の一つである抱合酵素は、精神神経疾患の治療薬や神経伝達物質の代謝に関与する。しかし、Wntシグナル経路を介した抱合酵素の発現変動は未解明である。抱合酵素の変動が脳で生じた場合、脳内の薬物量や神経伝達物質の量が変動し、治療効果に影響を与える可能性がある。本研究では、Wntシグナル経路を介した抱合酵素の発現変動を明らかにし、精神神経疾患の薬物治療の適正化に与える影響の解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
Wnt/β-catenin経路を活性化する薬物をHuH-7細胞に曝露し、UGT mRNAの発現変動を検討した。さらに、mRNA発現が増加したUGT分子種に対し、β-catenin経路を抑制するスリンダクのを共曝露しその影響を検討した。LiClの曝露により、UGT1A4は6.4倍、UGT1A1、UGT1A6、UGT1A9、UGT2B7では2.5~3.3倍に発現量が増加し、スリンダクの共曝露により、LiCLによるUGT1A6の発現増加は37%、UGT2B7では58%有意に減少した。以上の結果から、UGTの発現調節に対するWnt/β-catenin経路の関与と分子種による差異を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
個別化医療の実現のために、薬物の作用に影響する要因の解明は社会的意義が大きい。その要因の一つに、薬物代謝能の変動がある。本研究では、精神神経疾患の治療薬や、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の代謝に関与するUDP-glucuronosyltransferase (UGT) の発現変動の新たなメカニズムとして、Wnt/β-catenin経路の関与を明らかにした。この知見は、精神神経疾患における治療薬の開発ならびに薬物治療の戦略に重要な知見を付与すると考えられる。
|