研究課題/領域番号 |
19K23816
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
高嶋 一平 神戸薬科大学, 薬学部, 特任助教 (50769742)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アンドロジック / 蛍光プローブ / 微量元素 / シグナル増強 / 低酸素環境 / がん微小環境 / ANDロジック / ドラッグデリバリー / ANDロジックゲート / Fluorescent probe / HYPOXIA / AND logic gate / Enzyme prodrug / Cancer therapy |
研究開始時の研究の概要 |
HYPOXIAは一時的な虚血状態(梗塞や創傷)や腫瘍深部で発生し、心筋梗塞や腫瘍の治療における重要な標的イベントである。そこでHYPOXIAを検出する分子プローブはこれら疾患の解析や治療で有用と思われるが、従来の分子設計では疎水性が高く肝臓などへの非特異吸着が問題であった。そこで本研究では、細胞内の還元的環境を標的とした従来の分子設計に加えて、HYPOXIAで発現増強している細胞表面マーカーを標的とした親水性の高い分子設計を組み合わせて、高い選択性でHYPOXIAを検出可能なANDロジックゲート型のプローブ分子を開発することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では酵素の基質分子と低酸素環境を検出する分子を組み合わせたANDロジックゲート型分子を開発して腫瘍選択的な蛍光イメージング法の開発を目指した。腫瘍に蓄積させる予定の酵素が生体環境中で失活することを見出したため、酵素を化学修飾することで酵素活性の安定化に成功した。また基質分子も生理条件下で不安定なために基質の構造検討を行っている。また別に、この基質の構造検討中において偶然にも亜鉛に対して選択的に応答する分子を見出した。そこで本分子構造を最適化して亜鉛に対してシグナル増強型で蛍光応答する分子を開発するに至った。本研究成果は国際学術誌等で公表済みである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究に用いる酵素の安定性を増す化学修飾方法を開発することでケミカルバイオロジー研究での新たなツールとなることが期待される。また本研究では、偶然に亜鉛に対するシグナル増強型の蛍光プローブを創製した。従来のプローブ分子に比べて高感度であり、生体中での微量の亜鉛を蛍光解析するのに優れた機能を持つ。また本研究概念は他の微量元素や生体内分子の検出に拡張可能であると思われ、蛍光プローブの開発における新たな分子設計指針としても有効であることが期待される。
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