研究課題/領域番号 |
19K23833
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
糟谷 豪 自治医科大学, 医学部, 助教 (80845115)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | イオンチャネル / LRRC8 / LRRC8D / VRAC / クライオ電子顕微鏡 / 電気生理学 / 容積感受性チャネル / 生理学 / 構造生物化学 / 光生理学 |
研究開始時の研究の概要 |
LRRC8は、細胞膨張を感知して活性化する陰イオンチャネルで、塩化物イオンなどを細胞外に排出することで細胞容積の維持に貢献する。細胞膜上では、5種類のアイソフォーム(LRRC8A-E)のうちLRRC8Aを必須の構成要素とするヘテロ六量体を形成し機能している。2018年にホモ六量体LRRC8Aの構造が決定されたものの、当該構造からはLRRC8がヘテロ化することで細胞容積を感受するようになる仕組みは明らかにできていない。本研究では、ヘテロ六量体LRRC8におけるアイソフォーム構成と活性化能の関連性を調べることで、LRRC8がヘテロ化することで機能する仕組みの理解を目指す。
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研究成果の概要 |
5種類あるLRRC8A-Eは、細胞膨張を感知して活性化する容積感受性陰イオンチャネルで、LRRC8Aを必須の構成要素とするヘテロ六量体を形成し塩化物イオンやオスモライトと呼ばれる浸透圧調節物質を細胞外に排出する。このうちLRRC8Dは非荷電性オスモライトのタウリンや抗悪性腫瘍剤のシスプラチンの透過に寄与することが知られているが、そのメカニズムは不明であった。本研究ではLRRC8Dホモ六量体の立体構造を決定し、構造情報に基づいて電気生理解析を行うことで、LRRC8Dが特異的に持つ細胞外狭窄部位のフェニルアラニン残基とN末端ヘリックスがLRRC8D特異的なイオン透過に関与することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LRRC8ファミリーは、2014年と比較的新しく機能が明らかとなったタンパク質で、細胞膨張を感知して活性化する容積感受性陰イオンチャネルの構成因子として同定されたものの、どのようにして細胞膨張を感知するのか、どのようなヘテロ多量体を形成するのかといったメカニズムも未だ決着に至っていない。また、LRRC8ファミリーのうちLRRRC8Dアイソフォームは抗がん剤のシスプラチンの排出に関わっており、LRRC8Dの機能を抑制することががん治療への応用につながる可能性が期待されている。そのため、今回決定したLRRC8Dの構造情報はLRRC8の活性化能やシスプラチンの排出能の理解に貢献することが期待される。
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