研究課題/領域番号 |
19K23847
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
國下 洋輔 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (30849972)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | TRIM21 / 全身性エリテマトーデス / 抗TRIM21抗体 / B細胞 / 抗体産生 / Ⅰ型インターフェロン / SLE / 免疫グロブリン / IRF5 / B cell |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らはマウスを用いた先行研究により、全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患患者の血清中に認められる自己抗体の一つである抗SS-A抗体の対応抗原)(TRIM21)が、様々な免疫現象を調節する役割を担っているIRF5というタンパク質の発現調節を介して、SLE病態において、B細胞の過剰な活性化を抑制していることを明らかにした。 本研究では、TRIM21やIRF5の発現と抗TRIM21抗体との関連、抗TRIM21抗体をもつSLE患者の臨床的特徴を明らかにすることで、SLEの新規治療標的としてのTRIM21およびIRF5の可能性とB細胞機能異常のバイオマーカーとしての抗TRIM21抗体の有用性を検討する。
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研究成果の概要 |
抗TRIM21抗体陽性SLE患者では、健常者や抗TRIM21抗体陰性SLE患者と比較して、血清中のインターフェロン-β、IgG1、IgAの濃度が有意に高く、抗TRIM21抗体陽性SLE患者の特徴として、Ⅰ型インターフェロンの産生亢進やB細胞機能の活性化がより高度であることが示唆された。抗TRIM21抗体陽性SLE患者由来PBMCにおけるTRIM21の蛋白発現量は抗TRIM21抗体陰性SLE患者と比較し、有意に低下しており、抗TRIM21抗体とTRIM21発現レベル低下の関連が示唆され、このことがTRIM21機能低下に寄与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炎症性サイトカインや免疫グロブリンの血清レベル、TRIM21の発現は、治療介入によって変化する可能性があり、先行研究の知見を正確に検証するために、本研究は、SLEの治療前の血清と細胞を用いて行っており、非常に有意義なものとなった。本研究によって、抗TRIM21抗体はSLEにおけるI型インターフェロンの過剰産生とB細胞の過剰活性化に関連しており、その原因として、TRIM21の機能障害が存在する可能性が示唆された。抗TRIM21抗体は、SLEの病態において、Ⅰ型インターフェロンの過剰産生やB細胞の活性化により依存しているSLE患者の治療標的や新規バイオマーカーとなる可能性が示唆された。
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