研究課題/領域番号 |
19K23852
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
善家 由香理 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医幹 (80848325)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | C-type lectin / psoriasis / atopic dermatitis / chemokine / アトピー性皮膚炎 / ケモカイン / マクロファージ ガラクトース C型レクチン / 乾癬 / MGL |
研究開始時の研究の概要 |
慢性炎症性皮膚疾患の一つである乾癬の発症や病態形成に、樹状細胞(DC)による免疫応答制御が重要であることが報告されている。しかし、未だ乾癬の原因は不明であり、難治例も多い。近年、乾癬モデルマウスにおいて、MGL2 (Macrophage galactose-type C-type lection 2)というレクチンを発現するDCが病態の形成に寄与することが報告されたが、ヒト皮膚におけるMGL陽性DCの存在や、病態形成におけるMGLの分子機能は不明である。本研究は乾癬の原因追究と病態解明の糸口としてMGL陽性DCに注目し、ヒトの皮膚組織からMGL発現細胞を同定し、その分布・特性と乾癬の病態との関連につき解析し、治療法開発のための基盤とする。
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研究成果の概要 |
Macrophage galactose-type C-type lection陽性(MGL+)細胞は、ヒト皮膚の真皮上層脈管周囲主体に分布し、乾癬(Pso)とアトピー性皮膚炎(AD)の皮膚では、健常と比較しMGL+細胞数が有意に増加した。また、血清と組織中ケモカインとMGL+細胞の単位面積あたりの細胞数との関連では、ADにおいて、血清TARC/CCL17とIgE値、及び組織中のTARC/CCL17陽性細胞数と、MGL+細胞数が正の相関を示した。また自然免疫細胞亜集団マーカー発現に対する蛍光多重染色では、MGL+細胞の主要部分はCD1c陽性で、一部がCD1a、CD14、CD68と共染色された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト皮膚に分布するMGL+細胞は、主に真皮上層の脈管周囲に存在し、健常皮膚と比較しPsoやADなどの疾患皮膚において有意に顕著な増加を認めた。MGL+細胞が炎症に伴い誘導されるもしくはMGLの発現自体が増加する可能性が考えられる。これらの細胞はCD1c陽性主体の樹状細胞であり、一部のCD1a陽性樹状細胞あるいはマクロファージにも発現すると考えられる。さらに、MGL+細胞数が、ADの病勢及びTh2型免疫応答の指標となる血中TARC/CCL17及び血清IgE値と正の相関が認められた点は注目され、ヒトMGL+細胞のTh2応答との関わりが新たに示唆され、病態解明に迫る有意義な結果が得られた
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