研究課題/領域番号 |
19K23872
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
長尾 元嗣 日本医科大学, 医学部, 講師 (10468762)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 2型糖尿病 / インスリン分泌能 / β細胞 / CD36 / エキソサイトーシス / Oikawa-Nagaoマウス / ONマウス / インスリン分泌 / 脂肪酸 / インスリンシグナル / 糖尿病 / 肥満 |
研究開始時の研究の概要 |
インスリン分泌能の個人差は2型糖尿病の疾患感受性を規定する重要な要因とされているが、その個人差を決定するメカニズムは解明されていない。我々は最近、肥満ドナーから採取した膵ランゲルハンス島(膵島)を用いた検討によって、2型糖尿病患者では膵島における脂肪酸輸送体CD36の発現量が多く、同時にインスリン分泌能が低下していることを明らかにした。そこで本研究では、肥満2型糖尿病患者と類似した特徴、すなわち膵島におけるCD36の高発現と低インスリン分泌能を認める新規2型糖尿病モデルマウス(Oikawa-Nagaoマウス)を用いて、CD36がインスリン分泌能に及ぼす影響や糖尿病発症との関係を解明する。
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研究成果の概要 |
遺伝的なインスリン分泌能は2型糖尿病の発症を規定する重要な要因であるが、その分子基盤は未だ解明されていない。我々は以前に、β細胞株に脂肪酸輸送体CD36を過剰発現させると、エキソサイトーシスが障害されてインスリン分泌能が低下することを示している。本研究において、遺伝的な低インスリン分泌能を示す2型糖尿病モデル動物(ON-DPマウス)の膵島(β細胞)でも『CD36高発現-インスリンシグナル減弱-エキソサイトーシス障害ーインスリン分泌能低下』という一連の事象が確認されたことから、遺伝的なインスリン分泌能の低下にはCD36を起点とするβ細胞機能障害の惹起経路が関与するものと予想された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が行った肥満ドナー由来のヒト膵島を用いた検討において、非2型糖尿病者(正常血糖者)と比較して、2型糖尿病患者ではエキソサイトーシス障害やインスリン分泌能の低下がみられるのと同時に、CD36発現が遺伝子およびタンパク質レベルで高いことを見出している。ON-DPマウスの膵島(β細胞)において肥満2型糖尿病患者の膵島と類似した事象を確認し得た本研究の成果は、ON-DPマウスの「2型糖尿病発症における膵島病理基盤モデル」としての位置づけをより確かなものとすると共に、β細胞のCD36を標的とする新たな糖尿病予防・治療法開発に繋がる基礎的知見となるものと考えられる。
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