研究課題
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現在までに①正常細胞のEMT誘導ではOXPHOS活性が亢進すること,②EMTによりmitoNEET(mNT)の発現が減少し,これがOXPHOS活性の亢進に必須であることを見出している。本研究によりミトコンドリアの機能や動態がEMTで制御されるメカニズムを解明することで,EMTに関連した細胞生物学に有力な知見を与えうる。
上皮間葉転換(EMT)は,正常細胞では個体発生や傷の修復過程で起こる現象であるが,腫瘍細胞においては,治療抵抗性に通ずる様々な細胞内変化を引き起こし悪性度進展に関わる現象として知られている。本研究はまず,正常細胞EMTにおいてミトコンドリアの酸化的リン酸化レベルが亢進することを明らかにし,さらにその分子メカニズムとしてミトコンドリア外膜タンパク質の一種が関与しうることを示唆するデータを得た。
癌の悪性度進展に上皮間葉転換が深くかかわることが知られている。本研究では,正常細胞における上皮間葉転換を利用し,ミトコンドリア内代謝における変化を見出し,さらにその分子メカニズムを明らかにする手がかりとしてミトコンドリア外膜タンパク質を同定した。今後,この分子の癌細胞EMTにおける意義を明らかにすることで,国民病といわれる癌に新たな治療法を提案しうる。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Commun Biol.
巻: 4 号: 1 ページ: 138-138
10.1038/s42003-021-01675-4