研究課題/領域番号 |
19K23878
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
馬越 通信 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (00557457)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 胃癌 / 腫瘍由来細胞外小胞 / 超高感度ISH法 / 細胞外小胞 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍由来細胞外小胞(tumor derived extracellular vesicles;TEVs)は光学顕微鏡の観察限界をこえる微小な構造物であるため光学顕微鏡下での評価はなされておらず、病理標本を用いた臨床病理学的検討はいまだなされていない。本研究ではTEVs含有mRNAに対する超高感度in situ hybridization法を用いてTEVsの光学顕微鏡下での可視化手法を確立する。さらに、この手法を用いて手術検体の病理組織標本(肺癌、胃癌)でのTEVsの評価を行い、その臨床病理学的意義を検証する。
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研究成果の概要 |
胃癌細胞株から抽出した腫瘍由来細胞外小胞(TEVs)内に、qPCRで、比較的癌細胞特異的に発現するRNA(HER2, UCA1)が含まれていることを確認した。蛍光標識した胃癌細胞株をマウスにインプラント、摘出した標本を用いて、超高感度ISHおよび共焦点顕微鏡で癌胞巣周囲にTEVsと考えられるドット状構造を確認した。胃癌手術検体で、HER2に対する超高感度ISHを施行し、HER2 score3の検体でTEVsと考えられるドット状構造を確認した一方、score0-2の検体には、ほぼみられなかった。 癌細胞特異的なRNAを標的にすれば、超高感度ISHでTEVsを光学顕微鏡で観察できる可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍由来細胞外小胞(TEVs)は様々な作用(腫瘍微小環境形成、転移促進、血管新生、腫瘍免疫抑制など)で、腫瘍促進性に働くことは徐々に明らかになってきているが、一方、TEVsは微小構造であり、通常の光学顕微鏡で観察することが難しく、臨床的に観察、応用することが困難とされている。今回、超高感度ISH法により、一般的なパラフィン切片上で、TEVsと考えられる構造を観察できる可能性が示せた。TEVsの観察がより簡便になることで、TEVsとそれぞれの予後との関連、TEVsを標的とした新規治療法の可能性など、臨床的応用の可能性がでてくるものと考る。
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