研究課題/領域番号 |
19K23888
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
近藤 宏也 岡山大学, 大学病院, 医員 (40846911)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腫瘍融解ウイルス療法 / p53 / 骨肉腫 / 免疫原性細胞死 / 腫瘍融解アデノウイルス / CD8陽性細胞 / DAMPs / 免疫療法 / 骨軟部肉腫 / 腫瘍融解ウイルス / 腫瘍免疫療法 / アブスコパル効果 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性骨軟部肉腫は化学療法に抵抗性を示すものがあり予後不良の転帰をたどる症例も多い。近年骨軟部肉腫に対する免疫療法の検討が始まっており免疫応答効果をいかに増強するかが重要な治療戦略となる。申請者らは腫瘍融解ウイルスOBP-301、OBP-301にがん抑制遺伝子p53を導入したOBP-702を開発し骨肉腫に対して抗腫瘍効果を示すことを明らかにした。腫瘍融解ウイルス療法は免疫原性細胞死を誘導する報告があり我々のOBP-301、OBP-702も骨軟部肉腫へ誘導効果を示すことが期待できる。本研究では臨床応用へむけて腫瘍融解ウイルスによる免疫原性細胞死の誘導効果の確認とそのメカニズムについて解明を行う。
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研究成果の概要 |
p53自体が免疫原性細胞死にかかわる事が知られていたが、実際にOBP-702でvivoモデルに対して腫瘍免疫活性を示すことができた。また、遠隔腫瘍に対するアブスコパル効果を示すことができ、局所治療であった腫瘍融解ウィルス製剤の原発巣と遠隔巣への同時治療への応用が期待される。また全身における免疫反応の活性化を介する抗腫瘍効果が期待できるため抗PD-1等の免疫チャックポイント阻害薬との併用療法等の応用の可能性も期待できる。近年注目されている免疫細胞を中心とした腫瘍周囲微小環境の変化も注目されており治療応用の可能性、研究テーマ拡大の可能性を残すものであり非常に有意義な研究結果であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨軟部肉腫は系統的化学療法の導入によりその予後は改善してきたが、化学・放射線療法抵抗例や転移例など、予後不良例も多い。そのため、骨軟部肉腫に対する新規治療法の開発が重要な課題である。近年、抗PD-1抗体等、腫瘍免疫療法に対する研究が盛んに行われており、骨軟部肉腫治療の発展の為にも腫瘍免疫療法は非常に重要である。骨肉腫においては免疫細胞の乏しいcold tumorが主体と考えられてきたが、腫瘍融解アデノウイルス製剤投与におけるcold tumorからhot tumorへの転換することができるのであればますます治療応用の可能性が高まる。
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