研究課題/領域番号 |
19K23891
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鶴田 朗人 九州大学, 薬学研究院, 学術研究員 (40847745)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | グリオブラストーマ / がん幹細胞 / RNAアセチル化 / RNA修飾 / NAT10 |
研究開始時の研究の概要 |
グリオブラストーマは発症頻度の高い頭蓋内腫瘍のひとつであり、再発性が高く、患者の余命も1年半程度と極めて短い。これまでに、網羅的な解析法などでグリオブラストーマの悪性化因子の探索が行われているが、その同定に至っていない。そこで申請者は、網羅的解析法では検出できずに見過ごされてきたmRNAのアセチル化に着目してグリオブラストーマの悪性化機構の解明を行い、治療標的としての可能性について検討を行う。
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研究成果の概要 |
本研究ではRNAアセチル化を担うNAT10に着目した解析により、NAT10によるグリオブラストーマ幹細胞性の制御について明らかにした。またデータベースを用いたヒトグリオブラストーマ患者の予後解析からもNAT10の発現と予後に相関が認められたことから、グリオブラストーマ患者においても実際に同様の機構で幹細胞性が制御されていることも推察される。これまでに、NAT10を介したRNAのアセチル化に関する研究例は少なく、RNAアセチル化による、生理機能や病態の制御メカニズム解析の発展にも寄与する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グリオブラストーマは発症頻度の高い頭蓋内腫瘍のひとつであり、再発性が高く、患者の余命も1年半程度と極めて短い。これまでに、網羅的な解析法などでグリオブラストーマの悪性化因子の探索が行われているが、その同定に至っていない。本研究では網羅的解析法では検出できずに見過ごされてきたmRNAのアセチル化に着目して解析を行ったところ、mRNAのアセチル化を担う酵素であるNAT10がグリオブラストーマの幹細胞性(がん患者の予後を決定する性質のひとつ)を制御することが明らかになった。本研究を足がかりに、他の疾患におけるRNAアセチル化破綻による病態制御解明につながることが期待される。
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