研究課題/領域番号 |
19K23901
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
礒山 翔 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター 分子薬理部, 研究員 (10843394)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肉腫 / 抗腫瘍免疫 / 増殖・生存シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
がんは免疫による排除の対象であるが、腫瘍内に積極的に免疫を抑制する環境をつくり上げることで、抗腫瘍免疫から逃避している。免疫抑制性の腫瘍内微小環境の成立には、がん細胞の増殖・生存シグナルを起点とした免疫関連遺伝子の発現制御が寄与していることが、いくつかの癌腫において報告されている。しかし、肉腫においては、腫瘍内の微小環境において免疫抑制機構が働いている可能性が示されているものの、肉腫細胞の増殖・生存シグナルが腫瘍内の免疫抑制に寄与しているかどうかは不明である。本研究では、肉腫における増殖・生存シグナルによる抗腫瘍免疫抑制機構を分子レベルで解明することで、より効果的な肉腫免疫療法の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、肉腫の増殖・生存シグナルによる抗腫瘍免疫抑制機構を分子レベルで解明することを目的とする。ユーイング肉腫に着目し、活性化しているIGF1Rとその下流のPI3K、MEKおよびWNT、JAKシグナルによる免疫関連遺伝子の発現制御を介した免疫逃避機構について網羅的遺伝子発現解析を進めた。その結果、各シグナルの阻害によって免疫関連の遺伝子セットが有意に発現変動していることが明らかとなった。さらに、その遺伝子セットの中に抗腫瘍免疫を抑制するある種のケモカインや抗原提示関連分子が含まれていることが分かった。今後、肉腫と免疫細胞の相互作用について、in vivo同系マウスモデルを用いて検討していく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上皮性のがんにおいて、増殖・生存シグナルは、がんの増殖だけでなく免疫関連遺伝子の発現制御による免疫抑制性の腫瘍内微小環境の成立に寄与していることが知られている。しかし、肉腫においては増殖・生存シグナルが腫瘍内の免疫抑制に寄与しているかどうかは不明である。本研究で、ユーイング肉腫における増殖・生存シグナルが抗腫瘍免疫に関連するいくつかの分子の発現の少なくとも一部を制御していることが明らかとなった。今後、それらの免疫関連遺伝子の発現と抗腫瘍免疫の抑制の関連を明らかにすることで、肉腫の増殖・生存シグナル因子が新たな免疫療法の分子標的候補となると期待される。
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