研究課題/領域番号 |
19K23921
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
堀口 拓人 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70634674)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | KAISO / リンパ性白血病 / 急性リンパ性白血病 / リンパ系腫瘍 / P120 |
研究開始時の研究の概要 |
血液腫瘍に対する薬物治療は日々進歩をとげているが、再発難治性リンパ性腫瘍に対する治療成績は未だ不十分である。KAISOは、ジンクフィンガーを有する転写因子であり、メチル化CpG配列と非メチル化配列の2つの特異的な配列に結合することで2峰性に働くと想定されている。申請者は、造血細胞においては、KAISO-δカテニン複合体はRHOHと結合した後に核内移行することを突き止め、RHOHをノックアウトするとKAISOの核内移行が抑制され、リンパ腫が自然発症することを突き止めた。本研究ではヒトのリンパ性腫瘍におけるKAISOの意義を明らかとし、KAISO複合体を標的とした新規治療の確立を目指すものである。
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研究成果の概要 |
急性B細胞性リンパ性白血病細胞株(BALL-1、HAL-01、NALM-6)、T細胞性リンパ性白血病細胞株(TALL、MOLT-4、Jurkat)および正常成人B細胞、正常成人T細胞を購入した。RNAはTRIzolを用いて採取した。RT-qPCRでは、KAISO mRNAはB細胞性リンパ性白血病細胞株のBALL-1, HAL-01で有意に正常B細胞と比較して低下しており, 3種類すべてのT細胞性リンパ性白血病細胞株で有意に正常T細胞より低下していた。また、δカテニン(P120) mRNAはすべての細胞株でそれぞれ正常B細胞、正常T細胞と比較し優位に低下していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
急性リンパ性白血病におけるKAISO mRNAの発現は、多くの細胞株で正常B細胞、正常T細胞と比較し、優位に低下していることが明らかとなったが、その一部の細胞株では低下していなかった。一方で、KAISOの関連分子であるCatenin delta-1のmRNAの急性リンパ球性白血病株での発現は、正常のB細胞とT細胞と比較し、すべての白血病細胞株で有意に低下していた。このことは、KAISOやCatenin delta-1が治療の標的となりえることが、期待される。
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