研究課題/領域番号 |
19K23926
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
割田 友子 関西学院大学, 理工学部, 講師 (00753112)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | スタチン系薬剤 / ドラッグリポジショニング / スタチン感受性 / ワールブルグ効果 / がん細胞 / 解糖系 / スタチン / 糖代謝 / アポトーシス誘導 / RB経路 / p53経路 |
研究開始時の研究の概要 |
ドラッグリポジショニング(既存薬再開発)において、コレステロール低下薬スタチンの制がん効果が注目されている。しかし、制がん効果の程度はがん細胞の種類によりかなりの差があり、その作用メカニズムには不明な点が多くある。これまでにスタチン感受性株と耐性株に分類し、間葉系のがん細胞はスタチン感受性、一方、上皮系のがん細胞はスタチン耐性の傾向を示すことを報告してきた。本研究ではこれまでに得た知見と、二大がん化抑制経路であるRB経路とp53経路の関与を結び付け、さらに、網羅的解析によりスタチン感受性がん細胞に特有の分子群を多角的に絞り込む。
|
研究成果の概要 |
スタチン処置したがん細胞において解糖系関連の代謝物に有意な変動がみられた網羅解析の結果を踏まえ、スタチンががん細胞のワールブルグ効果に与える影響を調べた。耐性がん細胞では、スタチン処置によってもグルコースの取り込みが抑制されないことが示され、スタチン耐性につながる一要因である可能性が考えられた。また、感受性がん細胞特有の変化として、解糖系の律速因子であるホスホフルクトキナーゼの発現低下が観察された。本研究の結果より、スタチン感受性がん細胞では、スタチン曝露によりワールブルグ効果の阻害が引き起こされることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スタチンは脂質異常症の治療薬としての実績があり、かつ副作用のデータも膨大であるため、ドラッグリポジショニングによるがん治療への応用が期待される薬剤である。しかし、スタチン適応がんを診断するための確固たる科学的根拠が十分でないことから、臨床応用に至っていない。本研究では、がん細胞のスタチン感受性を反映する分子を絞り込み、臨床応用に結び付けるための解決すべき必須課題であるスタチン適応がんの的確な評価を試みたことに意義がある。
|