研究課題/領域番号 |
19K23941
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
宮川 太郎 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (20738207)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 急性腎障害 / RAGE / sRAGE / HMGB1 / 尿細管障害 |
研究開始時の研究の概要 |
終末糖化産物の特異受容体receptor for advanced glycation end products(RAGE)は、様々な疾患の進展やその抑制に関与している。 申請者らは腎臓病患者でHigh mobility group box 1(HMGB1)、RAGEが糸球体・間質病変の進展機序に関与することを示した。この結果から尿細管障害の進展機序にRAGEを介したシグナル伝達が関与すると仮説を立てた。尿細管障害モデルマウスや培養尿細管細胞における、RAGEシグナルの動態や機能・遺伝子解析を検討する。 本研究から腎臓病が腎不全へ至る機序が明らかとなり、進展抑制に関する知見を得ることが可能となる。
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研究成果の概要 |
急性腎障害(AKI)は慢性腎臓病や末期腎不全を発症させる重要な危険因子である。本研究は、可溶型RAGE(sRAGE)に着目し、AKIに対するsRAGEの保護機構について検討した。虚血再灌流によるAKIモデルにおいて、RAGE欠損によりAKIが増悪した。低酸素曝露を施した近位尿細管細胞において、sRAGE存在下でHigh mobility group box1 (HMGB1)をはじめとした炎症性サイトカインが低下し、細胞増殖能が改善した。AKIモデルにおいて、sRAGE投与によりAKIが軽減した。以上の結果から、虚血再灌流によるAKIにおいて、sRAGEが保護的に作用する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
虚血再灌流による尿細管障害を背景としたAKIにおいて、デコイ型受容体であるsRAGEの存在が重要な機能を担い、HMGB1がsRAGEに捕捉され、腎障害が軽減する可能性があることが初めて明らかとなった。さらに、リコンビナントsRAGEの投与により、HMGB1の炎症性シグナルが抑制され、腎障害に対し保護的に働くことも分かった。以上より、RAGE/sRAGEを介したAKI発症の分子機序が明らかになるとともに、sRAGE補充療法がAKIの新規治療法として有用である可能性が示された。
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