研究課題/領域番号 |
19K23943
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
赤嶺 祥真 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 特任助教(常勤) (00846222)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / エクソソーム / 認知症 / バイオマーカー / 神経細胞 / リキッドバイオプシー |
研究開始時の研究の概要 |
殆ど全ての細胞は外界に"小胞"を分泌しており、これら小胞は細胞間の情報伝達を担っていると考えられている。ヒト血中の神経細胞由来細胞外小胞(NDE)を用いた「脳のリキッドバイオプシー」が近年大きな注目を集めている。現在提唱されている血中NDE分離法は抗体を用いた免疫沈降法であるが、非特異的な蛋白混入が多く実臨床に用いるには精度が不足している。 本研究では「大きさと密度」という2つの物理的性質に基づく分離法を用いた血中NDE分離法を検討する。更にアルツハイマー型認知症におけるNDE中のAβやリン酸化タウを測定することで、NDEを用いた血液バイオマーカーとしての有用性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究は血中の細胞外小胞(EV)から、大きさ・密度という物理的特性に基づいて神経由来のEVを分離する手法を開発するものである。大きさ基準の分離法はサイズ排除クロマトグラフィー分画法(SEC法)を、密度基準の分離法はイオジキサノール密度勾配分画法(IDG法)を採用した。 SEC法は従来と同水準の分離能であったが、IDG法の高解像度化に成功し、従来よりも細かく血漿中のEVを分画する事が可能となった。その結果、ひとつの神経由来蛋白が特定の分画中にのみ存在している事が分かった。これは、神経由来EVが「特定の密度・サイズ」を有しており、他の血漿EVと異なる物理的性質を持つことを示していると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
認知症や統合失調症などの精神神経疾患は、脳脊髄液検査や頭部MRI検査などの侵襲性やコストが高い検査のみ実用化されており、血液を用いた身体への負担が低い検査は殆ど存在しない。血液中に微量に存在する神経由来の細胞外小胞(EV)を分離し、その内容物を解析する事で、脳で起きている変化を血液検査で窺い知る事が出来るようになる。神経由来EVの分離には主に抗体を用いたアプローチがなされてきたが、非特異的な結合が大きな課題であった。本研究ではこのような非特異的結合に関する問題を密度・サイズによる分離という別の角度から解決しようと試み、神経由来EVの存在する密度帯・サイズ帯を特定した。
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