研究課題/領域番号 |
19K23945
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
三代 剛 島根大学, 医学部, 特別協力研究員 (20599427)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 逆流性食道炎 / 口腔内細菌 / 齲蝕菌 / 胃酸分泌抑制薬 / 逆流性食道炎モデルラット / 常在細菌叢 / 好酸球性食道炎 / Streptococcus mutans / 16S rRNAシーケンス / 口腔内細菌叢 / コラーゲン結合型齲蝕菌 / 逆流性食道炎ラットモデル |
研究開始時の研究の概要 |
人体には数百兆個の細菌が生息し、固有の常在細菌叢を形成している。この常在細菌叢の存在が恒常性の維持に必須である一方で、唾液と共に嚥下される口腔内細菌もしくはその代謝産物の変化が様々な食道疾患の病態に関与する可能性も示唆される。本研究は、齲蝕以外にも多くの疾患に関係すると考えられている口腔内病原細菌であるコラーゲン結合型Streptococcus mutans菌が食道粘膜へ直接付着及び侵入することで炎症反応を惹起し、逆流性食道炎の発症あるいは治療抵抗性に関与するかについて検討を行うものである。
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研究成果の概要 |
健常ホボランティア及び逆流性食道炎(RE)患者の唾液及び食道炎症部位のブラシ擦過検体を齲蝕の主な口腔内病原細菌であるコラーゲン結合蛋白発現型Streptococcus mutans(Cnm-S)の有無について特異的プライマーを用いたPCR検査を行った。両群からCnm-SM自体はほとんど検出されず統計学的な検討は出来なかったが、専用寒天培地で増生したコロニーからのシークエンシングによってStreptococcus anginosusという菌種が同定された。この菌種はラミニンやフィブロネクチンと結合し、心内膜炎や誤嚥性肺炎などとの関連が報告されており、今後も病態との関連性につい検討予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は唾液と共に嚥下される口腔内細菌が直接食道粘膜へ付着、更に粘膜内へ侵入することで炎症反応を増幅させ、実際のRE発症へ関与するか否か、或いは既にREと診断された患者の治療抵抗性に関与するか否かについて検討を行った。RE発症や治療抵抗性と酸逆流との関連から見た研究は数多くの報告があったが、本研究の如く、特に唾液と共に嚥下される口腔内細菌或いはその代謝産物の変化が、REの発症や増悪に着目した先行研究は今まで全く皆無であった。この点が本研究の特色、極めて独創的な点であり、本研究で得られる成果はこれまでに検討されてきた酸関連疾患概念とは全く異なる治療法の開発に結び付く可能性を示唆するものである。
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