研究課題/領域番号 |
19K23947
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
清田 今日子 大分大学, 医学部, 医員 (30774492)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | PIK3CD / SLE / 機能獲得型変異 / PIK3CD遺伝子 / mTOR経路 / ゼブラフィッシュ / mTOR |
研究開始時の研究の概要 |
SLEを発症した患児にPhosphatidilinositol- 4,5-Bisphosphate 3-Kinase Catalytic Subunit Delta(PIK3CD)遺伝子の新規突然変異を同定した。過去にPIK3CD遺伝子の活性型変異によりmTOR経路が活性化し自己炎症性疾患が惹起された報告はあるが、SLE病態形成への関与についての報告はない。一方、SLEは免疫系細胞でmTOR経路の活性化の重要性が証明されている。今回、PIK3CD遺伝子活性型変異によるmTOR 経路の活性化とSLEの病態形成のメカニズムを明らかにする事を目的とする。
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研究成果の概要 |
複数の自己免疫疾患を既往に持つSLEの患者に新規PIK3CD遺伝子変異を同定した。PIK3CD遺伝子の活性型変異では、先天性免疫不全症候群を呈し、自己免疫疾患の合併も40%程度あると報告されている。今回同定した新規PIK3CD遺伝子により、SLEが発症した可能性を考え研究を行なった。新規PIK3CD遺伝子変異が機能獲得型変異であるかをマウス由来のT細胞株を用いて実験を行い、機能獲得型の変異であることがわかった。さらに、ヒトの新規PIK3CD遺伝子変異を導入したゼブラフィッシュでは、遺伝子が導入された部分に腫瘤を形成した。このことより、この遺伝子変異によって細胞増加があることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PIK3CD遺伝子の機能獲得型変異であっても、免疫不全を生じない可能性があることがわかった。ただし、免疫を調整する遺伝子であるためにそのバランスが崩れた場合には、自己免疫疾患を生じることもある。 複数の自己免疫疾患を生じている場合には、免疫不全がなかったとしても、PIK3CD遺伝子の変異がないかの探索を行う意義があると考える。自己免疫疾患に関しては、それぞれの疾患で治療法が異なるが、PIK3CD遺伝子の変異によることがわかっている場合には、今後PI3K阻害剤なども選択肢に上がり、より病態に即した治療ができる可能性がある。
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