研究課題/領域番号 |
19K23959
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
和氣 正樹 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (30847124)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 心線維芽細胞 / 筋線維芽細胞 / 心臓マクロファージ / 線維芽細胞 / コラーゲン / 心臓線維化 |
研究開始時の研究の概要 |
心臓は収縮と拡張を繰り返し、血液循環を維持している。収縮、拡張どちらが障害されても心不全になりうるが、近年特に拡張機能の低下した心不全(拡張不全)が増加し、“心不全パンデミック”を引きおこしている。心臓の過剰な線維化が拡張不全の原因と考えられているが、いまだに有効な治療法が存在せず、その病態解明が強く求められている。 これまでに、線維化を引き起こす線維芽細胞が飢餓的環境でも活性化するという知見を得ており、過剰活性化のメカニズムを細胞内代謝様式の変化から明らかにし新規治療法を開発する。
|
研究成果の概要 |
心不全の治療において、収縮能低下による薬物治療は大きく進歩してきた。一方、収縮能の保たれた拡張不全の治療は収縮不全の治療に比較すると進んでいない。拡張不全は心筋組織の過剰な線維化が主病態とされるが、線維芽細胞が過剰に活性化する全貌は明ではない。そこで、臓器線維化を引き起こす線維芽細胞と、炎症を制御するマクロファージを中心にこの病態を解明することとした。 これまでに、炎症性マクロファージがOncostain-Mを介して線維化を抑制する点を明らかにたが、さらに線維芽細胞単独でも、低酸素、酸性環境やミトコンドリア代謝阻害でも線維化が進行する可能性が示唆され、この分子機構の詳細も明らかにする。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで臓器線維化は、慢性炎症を背景に、TGF-β等の分泌過剰が起こり、筋線維芽細胞からコラーゲンが分泌されることで進行すると考えられてきた。しかし、これまでの研究から線維芽細胞は、サイトカイン刺激が無い状況下でも細胞自身でコラーゲン産生を亢進するシステムが内在されている可能性が示唆された。 これは、外傷などの急激な細胞外環境の変化に即応するためのシステムと予想される。そして、細胞内の代謝変化をセンサーに急激にコラーゲン分泌へと細胞の反応全体を変化させていると考えられた。この代謝の制御を中心とした治療が可能となれば、過剰な線維化を基礎とした疾患の治療につながる可能性があると考えられる。
|