研究課題
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骨破壊を担うユニークな多核細胞である破骨細胞は、「骨髄」で骨の恒常性維持に重要な役割を果たす一方、関節リウマチ(RA)では「関節」の病的な骨破壊を惹起する。これまで骨髄の破骨細胞やin vitroで培養して分化させた破骨細胞様細胞の研究は精力的に行われてきたが、関節で病原性骨破壊を担う破骨細胞の研究はほとんど行われていない。申請者は、独自に編み出したプロトコールを用いて滑膜のパンヌスの破骨前駆細胞を同定すると共に、病原性破骨細胞を二光子励起顕微鏡を用いて可視化することで、病原性骨破壊のメカニズムを解明する。
骨破壊を担うユニークな多核細胞である破骨細胞は、「骨髄」で骨の恒常性維持に重要な役割を果たす一方、関節リウマチ(RA)では「関節」の病的な骨破壊を惹起する。これら二つの異なる微小環境における破骨細胞が、どのような違いを持つのか詳細な解析はなされていない。本研究は、申請者がこれまで応用してきた生体二光子励起イメージング技術を用いて、関節と骨髄の破骨細胞の動態・機能をin vivoで観察・比較することで、二つの局在における成熟破骨細胞の挙動の違いを明らかにした。さらに、本技術を用いて、近年RA治療に臨床応用されている生物学的製剤が生体内においてどの細胞を標的として作用しているか明らかにした。
関節リウマチは関節の慢性的な炎症をきたす代表的な自己免疫疾患で、最終的に「破骨細胞」と呼ばれる細胞が骨を破壊することで関節の機能を大きく低下させます。近年、関節リウマチに対する治療薬は大きな進歩を遂げた一方、いまだにいずれの治療薬にも反応しない難治性の患者さんが存在します。本研究により、関節破壊を惹起する病的な破骨細胞の特徴やその骨破壊のメカニズムが詳細に解析されることで、病的な破骨細胞のみを標的とした新規薬剤の開発につながることが期待されます。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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