研究課題/領域番号 |
19K23968
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
種池 里佳 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (50849015)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 心筋虚血再灌流障害 / 自然免疫応答 / Toll様受容体9 / 炎症性サイトカイン / Toll様受容体9 / 心筋虚血再灌流傷害 |
研究開始時の研究の概要 |
虚血性心疾患は、早期冠動脈再灌流が最重要治療であり、経皮経管的冠動脈再灌流療法や薬物的再灌流療法の進歩により、心筋梗塞サイズが縮小し、生命予後は改善してきた。しかし、いまだ世界的主要死亡原因であり、冠動脈再灌流後の心筋障害による心不全が、生命予後に大きく寄与している。内因性の自己免疫反応と、それに続く炎症反応が心筋障害をおこすといわれているが、メカニズムや有効な治療法はいまだ確立されていない。本研究では、Toll様受容体9の役割や内因性自己免疫反応、その詳細なメカニズムの基礎的研究を行い、新規創薬につながる分子標的を明らかにし、心筋虚血再灌流障害治療への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
心筋梗塞は、国内外で主要な死亡原因である。再灌流療法は最も有効な治療法だが、心筋虚血再灌流障害を誘発する。本研究では、マウスから採取した心臓を用いた心筋虚血再灌流障害モデルにおいて、Toll様受容体9欠損が、心筋虚血再灌流障害を改善し、炎症性シグナル伝達を抑制することを明らかにした。また、ミトコンドリアDNAは、Toll様受容体9の主要な活性化因子であり、心筋障害時に心筋細胞から細胞外に放出される。本研究では、心筋虚血再灌流時にDNA分解酵素投与により、細胞外ミトコンドリアDNAが分解され、炎症性シグナル伝達の抑制を介さず、心筋虚血再灌流障害が部分的に改善することを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、Toll様受容体9が、心筋梗塞に対する再灌流療法後の最終的な心筋梗塞サイズを増悪させ、予後を増悪させることを明らかにした。心筋梗塞時に破壊された心筋細胞由来のミトコンドリアDNAは、心筋細胞内に取り込まれ、Toll様受容体9を活性化し、細胞死を誘発するため、DNA分解酵素投与により心筋虚血再灌流障害の抑制効果を検討したが、効果は部分的であり、炎症反応の抑制は認めなかった。心筋虚血再灌流障害の治療としては、Toll様受容体9自体の抑制が有効な治療標的となりうることが明らかになった。
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