研究課題/領域番号 |
19K23969
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
末冨 建 山口大学, 医学部附属病院, 診療助教(4日/週) (40749842)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | カルモジュリン依存性キナーゼ / マクロファージ / 心筋細胞 / 慢性炎症 / 心不全 / 圧負荷 / 心筋リモデリング / 炎症 / インフラマソーム / カルモジュリンキナーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
最近の大規模臨床試験の結果から、心機能低下に対する炎症の関与が再び注目されている。また心筋細胞内のカルシウム・カルモジュリンキナーゼⅡ(CaMKⅡ)活性化に伴う、マクロファージの心筋への誘導や炎症シグナル拡散がその一因であることが明らかになった。本研究では「心筋細胞での炎症シグナル発生」および「心筋細胞から他の細胞へのシグナル拡散」を標的とした、新しい心不全治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
慢性的心負荷によって心筋細胞で発生した慢性炎症シグナルが周囲の細胞に伝播し、心筋組織の線維化や心収縮能低下などを引き起こすメカニズムについて検証した。培養心筋細胞の浸透圧負荷によって種々の炎症遺伝子および炎症抑制遺伝子亢進、Caspase-1活性の増加、細胞外小胞の増加を認め、非接触共培養したマクロファージにおいて炎症遺伝子やインフラマソームシグナルの亢進を認めた。またこれらの反応がカルモジュリン依存性キナーゼによって制御されていることが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一連の結果から、心筋負荷から生じる炎症シグナルがCaMKII依存性にマクロファージに影響しリモデリングに寄与することが示唆された。ただし今回の研究期間では細胞外小胞取り込みの直接的な確認には至っておらず、マクロファージの反応の違いが、細胞外小胞の取り込みの違いによって生じているかは現時点では明らかではない。また、マクロファージ以外の非心筋細胞の反応についても十分な評価ができておらず、今後の課題である。CaMKIIを標的とすることで、より選択的で、免疫抑制の副作用を回避した炎症治療法につながる可能性があり、引き続き上記の機序を明らかにしたい。
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