研究課題/領域番号 |
19K23971
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0902:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古田 芳彦 九州大学, 医学研究院, 助教 (60850005)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 疫学研究 / コホート研究 / 脳動脈瘤 / 脳卒中 / MRI / 地域一般住民 / 高齢者 / 有病率 / 発症率 / 危険因子 / 脳画像 |
研究開始時の研究の概要 |
くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂を主な原因とし、脳卒中のなかで最も重症度が高い。今後のさらなる高齢化とともに急速に患者数が増加し、社会への負担となることが懸念される。 福岡県久山町では1961年から地域住民を対象とした疫学研究(久山町研究)が継続されており、くも膜下出血を含む心血管病発症の追跡調査を行っている。また2012年と2017年に高齢者の約70%において頭部MRI検査を実施した実績を有する。そこで本研究では頭部MRI検査と追跡調査の成績を用いて、未破裂脳動脈瘤の有病率・危険因子、発症率とその後の破裂リスクの検討を行う。
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研究成果の概要 |
2012年の久山町高齢者調査で頭部MRI検査を受けた65歳以上の男女1,286人を対象に、脳動脈瘤の有病率を評価した。その結果、52人に合計54個の脳動脈瘤を認め、その有病率は4.0%であった。また、ロジスティック回帰分析を用いて脳動脈瘤を有する危険因子を検討したところ、女性、喫煙習慣が有意な危険因子であった。 次に、2012年のMRI検査で脳動脈瘤を認めず2017年に再度MRI検査を受けた866人を対象として脳動脈瘤の累積発症率を検討した。2017年のMRIにて8例で新たな脳動脈瘤を認め、5年間の累積発症率は0.92%であった。脳動脈瘤の発症数が少ないため、発症の危険因子の検討は困難であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果から、地域一般高齢者における脳動脈瘤の有病率およびその後の発症率が示された。また女性と喫煙習慣が脳動脈瘤保有の危険因子であった。これらの情報はわが国の高齢者における脳動脈瘤・くも膜下出血の病態解明やその予防対策の確立に寄与し、ひいては国民の保健・医療・福祉の向上につながることが期待される。今後、本研究の成果を海外学術誌に報告予定である。
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